歯の根の治療で使う薬とは?種類と役割
千葉でラバーダムを使用した歯の根の治療、根管治療をしている歯医者、陽光台ファミリー歯科クリニックです。
歯の根の治療(根管治療)は、むし歯が神経まで達したときや、歯の根に細菌感染が起きたときに必要になる治療です。歯の内部にある「根管」と呼ばれる管には神経や血管が通っており、ここに細菌が入ると激しい痛みや腫れを起こすことがあります。
放置すると歯を失うリスクが高まるため、早めの治療が欠かせません。
その根管治療で重要な役割を果たすのが「薬」です。治療では、感染した組織を除去した後に薬を入れて細菌の繁殖を防ぎ、歯を残す準備をしていきます。根管内に薬を入れることは、歯の寿命を延ばすために欠かせないプロセスなのです。
根管治療で使われる薬の種類
根管治療では、症状や治療の段階に応じて複数の薬が使われます。代表的なものは次の3つです。
1. 消毒薬(根管洗浄剤)
「次亜塩素酸ナトリウム」は強力な殺菌作用を持ち、細菌や感染組織を取り除くために使用されます。また「EDTA」という薬を併用し、歯の中に残った細菌の膜や汚れを除去します。
2. 根管内に入れる薬(貼薬剤)
治療の合間には「水酸化カルシウム製剤」や「抗菌薬」を根管内に入れることがあります。これにより、細菌の繁殖を防ぎ、炎症を鎮めることができます。特に水酸化カルシウムは、殺菌力に加えて組織の修復を助ける作用もあり、世界的に広く使われています。
3. 内服薬(鎮痛薬・抗生物質など)
痛みや腫れが強い場合は、必要に応じて鎮痛薬や抗生物質を服用していただくこともあります。これは歯科医師の診断のもと、安全に処方されるものです。
薬の役割と治療の流れ
根管治療で薬を使う目的は、細菌を除去し、炎症を抑えることです。歯の根の中は細かく複雑な形をしているため、器具だけでは完全に清掃できません。そのため薬を用いて殺菌し、再感染を防ぐことが欠かせません。
治療の流れは次のようになります。
感染した神経や組織を取り除く
根管内を洗浄・消毒する
水酸化カルシウム製剤などの薬を入れて細菌の繁殖を抑える
症状が改善したら薬を取り除き、最終的な詰め物や被せ物で密閉する
薬が効果を発揮していると、痛みや腫れが少しずつ和らいできます。一方で、症状が長引く場合には、細菌が残っている可能性があるため、追加の消毒や再治療が必要になることもあります。根管治療の流れについて詳しくはこちらをご覧ください。
薬の安全性と副作用について
根管治療で使用される薬は、歯科で長く使われてきた実績があり、安全性が確認されています。ただし、薬の種類や体質によっては一時的な違和感や副作用が出ることもあります。
・一時的な症状:薬を入れた後に「しみる」「違和感がある」などの軽い症状が出ることがありますが、多くは数日で落ち着きます。
・アレルギーの可能性:まれに薬にアレルギー反応を示す人もいるため、過去に薬や麻酔で異常があった場合は必ず歯科医師に伝えましょう。
・薬の取り扱いリスク:消毒薬(次亜塩素酸ナトリウムなど)は強い薬のため、根の外に漏れると痛みや腫れを引き起こす可能性があります。しかし、治療中にラバーダムを使用することで、薬が口腔内に漏れるリスクを大幅に減らし、治療部位を清潔に保つことができます。通常は慎重に操作するため、安全に治療を行うことが可能です。
つまり、根管治療で使う薬は基本的に安全であり、副作用やリスクは適切な処置(ラバーダムなど)によって最小限に抑えられます。安心して治療を受けられる環境が整っています。
よくある疑問Q&A
Q1:薬が取れてしまったらどうすればいいですか?
仮の蓋や薬が外れてしまうことはあります。放置すると細菌が入り込み再感染のリスクが高まるため、できるだけ早めに歯科医院を受診してください。
Q2:薬の臭いが気になるのですが大丈夫ですか?
根管治療で使う薬には独特の臭いがありますが、体に害はありません。多くの場合、一時的に感じるだけで、治療が進むと気にならなくなります。
Q3:薬を長く入れたままにしても大丈夫?
基本的には治療の合間に一時的に薬を入れています。長期間放置すると薬の効果が落ちたり、仮の蓋が外れて感染するリスクがあるため、必ず歯科医師の指示通りに通院することが大切です。
まとめ
歯の根の治療(根管治療)で使う薬は、歯を長く残すために欠かせない存在です。消毒薬や水酸化カルシウム製剤、抗菌薬、鎮痛薬などが症状に合わせて使われ、細菌の除去や炎症の抑制に役立ちます。
薬は基本的に安全ですが、強い薬のため、根の外に漏れると痛みや腫れを引き起こす可能性があります。そこで治療中にはラバーダム防湿を使用することで、薬が口腔内に漏れるリスクを大幅に減らし、同時に治療部位を清潔に保つことができます。ラバーダムの使用は、患者さんの安心感と治療の安全性を高める重要な工夫です。
👉 千葉県で根管治療をご検討中の方は、当院へぜひご相談ください。お電話(0438-38-4854)もしくはLINEからご予約をお取りください。マイクロスコープやラバーダムを活用した精密で安全な治療と丁寧な説明で、不安を安心に変えるサポートを行っています。
医師紹介
理事長 渡辺 泰平(歯学博士)
資格
PERF-JAPAN講師(根管治療)
MicroPex Hygienic Laboratory講師(歯周病治療)
Karl Kaps Germany 認定講師(マイクロスコープ)
日本・アジア口腔保健支援機構 第二種感染管理者検定講師
日本顎咬合学会 認定医
認定医日本健康医療学会 認定医
日本・アジア口腔保健支援機構 第一種感染管理者
健康医療コーディネーター