千葉で成功率の高い根管治療をしている歯医者、陽光台ファミリー歯科クリニックです。

根管治療を受けた後、レントゲン検査で「異常なし」と言われても、まだ痛みや違和感が続いている方はいませんか?このような状況に不安を感じるのは当然のことです。今回は、根管治療とレントゲン検査の関係性について詳しく解説いたします。

 

1. 根管治療とレントゲン検査の基本知識

根管治療は、歯の神経が感染や炎症を起こした際に行う治療法です。歯の中にある神経や血管(歯髄)を取り除き、根管内を清掃・消毒してから薬剤を詰める処置を指します。

根管治療の流れ
レントゲン検査は根管治療において欠かせない診断ツールです。治療前の診断から治療中の経過観察、治療後の成功判定まで、様々な段階で活用されます。特に、根管の形態や長さの確認、根尖部の病変の有無、治療後の治癒状況の評価などに重要な役割を果たしています。


しかし、レントゲン検査にも限界があることを理解しておく必要があります。二次元的な画像のため、重複した構造物や微細な変化を完全に捉えることは困難な場合があります。

 

2. レントゲンで「異常なし」と診断される意味

レントゲン検査で「異常なし」と診断される場合、以下の項目が正常範囲内にあることを意味します。
まず、根尖部周囲の骨組織に明らかな透過像(黒い影)が認められないことです。根尖性歯周炎がある場合、通常は根の先端周囲に黒っぽい影が現れますが、これが見られない状態を指します。

再根管治療(感染根管治療)の症例2の術前
次に、根管充填材料が適切に充填されていることも重要な判断基準です。根管内が隙間なく緊密に充填され、根尖部まで適切な長さで充填されている状態が確認できます。

木更津市の患者さん術前
さらに、歯根の形態に異常がなく、歯根破折や吸収などの病的変化が認められないことも含まれます。周囲の歯槽骨の状態も正常で、明らかな骨吸収や炎症所見がない状態を指します。
これらの所見が揃っていることで、レントゲン上では「異常なし」と判断されるのです。

 

3. 異常なしでも症状が続く場合の原因

レントゲンで異常なしと診断されても、痛みや違和感が続く場合があります。この現象にはいくつかの原因が考えられます。
最も多い原因は、治療による一時的な炎症反応です。根管治療は歯の内部を大きく処置するため、周囲組織に炎症が起こることがあります。この炎症は通常、数日から数週間で自然に治まりますが、個人差があります。
微細な根管の見落としも原因の一つです。歯によっては非常に細い副根管が存在し、これらがレントゲンでは確認できない場合があります。未処置の根管に細菌が残存していると、症状が持続することがあります。

根管
また、歯根膜の過敏性も考えられます。根管治療後、歯を支える歯根膜が一時的に敏感になり、咬合時の痛みや違和感を生じることがあります。
心理的な要因も無視できません。長期間続いた痛みの記憶や治療への不安が、実際の症状として感じられることもあります。

悩む人

4. 根管治療の成功判定とフォローアップ

根管治療の成功判定は、レントゲン所見だけでなく、臨床症状も合わせて総合的に評価します。
理想的な成功の基準は、自発痛や咬合痛がないこと、レントゲン上で根尖部病変の改善または消失が認められること、歯の機能が正常に回復していることです。
しかし、治療直後から完全に症状がなくなるわけではありません。一般的に、根管治療後の完全な治癒には数ヶ月から1年程度かかることが多いです。
定期的なフォローアップが非常に重要です。治療後3ヶ月、6ヶ月、1年後にレントゲン検査と臨床症状の確認を行い、治癒状況を評価します。この期間中に症状の改善が見られない場合や悪化する場合は、追加の治療が必要になることもあります。
近年では、従来のレントゲン検査に加えて、歯科用CTを用いた三次元的な評価も行われるようになっています。これにより、より詳細な診断が可能になっています。

CTを使用した「正確な診査診断」

5. 患者さんが知っておくべき注意点と対処法

根管治療後に「異常なし」と診断された場合でも、以下の点に注意して経過観察を行うことが大切です。
まず、症状の変化を記録しておきましょう。痛みの程度、持続時間、誘発因子などを日記のように記録することで、治癒の過程を客観的に把握できます。
適切な口腔ケアを継続することも重要です。患部を清潔に保ち、細菌感染のリスクを最小限に抑えます。ただし、治療直後は患部を強くブラッシングすることは避け、優しく清拭するように心がけてください。


食事にも注意が必要です。治療した歯で硬いものを噛むことは避け、刺激の少ない食事を心がけましょう。極端に熱い・冷たい食べ物も控えめにすることをお勧めします。
症状が悪化した場合や新たな症状が出現した場合は、すぐに担当歯科医師に相談してください。自己判断で市販の痛み止めを長期間使用することは避け、専門医の指導を受けることが重要です。
定期検診を欠かさないことも大切です。症状がなくても、予定された検診日には必ず受診し、治癒状況の確認を受けてください。

歯科検診

 

根管治療後のレントゲンで「異常なし」と診断されることは、治療が順調に進んでいる良い兆候です。しかし、完全な治癒には時間がかかることを理解し、症状が続く場合でも過度に不安になる必要はありません。
大切なのは、担当歯科医師との良好なコミュニケーションを保ち、定期的なフォローアップを受けることです。症状の変化を記録し、適切な口腔ケアを継続しながら、根気よく治癒を待つことが成功への鍵となります。
何か気になる症状がある場合は、遠慮なく歯科医師に相談してください。患者さんと医療者が協力して治療に取り組むことで、より良い結果を得ることができるでしょう。

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