根管治療の成功を左右する唾液管理:知っておくべき5つのポイント
千葉でラバーダムを使用した成功率の高い根管治療なら陽光台ファミリー歯科クリニックへ。
根管治療は、虫歯や外傷によって感染した歯の神経を除去し、根管内を清掃・消毒して再感染を防ぐ重要な治療です。
この治療において、唾液は予想以上に大きな影響を与える要因となります。
唾液には本来、口腔内の自浄作用や抗菌作用といった有益な働きがありますが、根管治療中においては逆に治療の妨げとなる存在です。根管治療の成功には、根管内を完全に無菌状態に保つことが絶対条件となります。しかし、唾液が治療部位に流入すると、数百万個の細菌が根管内に侵入し、治療効果を著しく低下させてしまいます。
特に、根管治療中は歯に穴が開いた状態となるため、唾液の侵入リスクが非常に高くなります。
わずか数秒の唾液接触でも、それまでの清掃・消毒作業が台無しになる可能性があるのです。そのため、適切な唾液管理は根管治療成功の鍵を握る重要な要素となっています。
唾液による根管治療への具体的な悪影響
唾液が根管治療に与える悪影響は、主に細菌汚染と治療材料への影響の2つに分けられます。
細菌汚染のリスク
健康な人の唾液には、1ml当たり約1億個の細菌が存在しています。これらの細菌が根管内に侵入すると、せっかく除去した感染組織の代わりに新たな感染源となってしまいます。特に、酸素を嫌う細菌は、根管内の環境を好み、増殖しやすい特徴があります。
治療材料への影響
根管治療では、根管内の清掃・消毒に様々な薬剤を使用します。しかし、唾液に含まれるタンパク質や酵素が効果を中和してしまうことがあります。また、根管充填材料も唾液の影響を受けると、十分な密封性を発揮できず、将来的な再感染のリスクが高まります。
さらに、唾液による湿潤環境は、根管内の乾燥が必要な治療工程において、適切な処置を困難にします。これにより、治療期間の延長や治療回数の増加といった問題も生じる可能性があります。
効果的な唾液管理の方法
根管治療における唾液管理の基本は、治療部位を唾液から完全に遮断することです。現在、最も効果的とされている方法がラバーダム防湿法です。
ラバーダム防湿法
ラバーダム防湿法は、薄いゴムのシートを患歯に装着し、治療部位を口腔内から完全に隔離する方法です。
この方法により、唾液の侵入を防ぐことができ、根管治療の成功率を大幅に向上させることができます。また、治療器具の誤飲防止や、薬剤による粘膜の保護といった副次的効果も得られます。
患者さんができる唾液管理のサポート
根管治療の成功には、患者さんの協力も不可欠です。治療前後の適切な準備と協力により、唾液管理の効果を高めることができます。
治療前の準備
治療前には、十分な歯磨きとうがいを行い、口腔内の細菌数を可能な限り減らすことが重要です。喫煙は唾液の質を悪化させるため、治療期間中は禁煙することが理想的です。
治療中の協力方法
治療中は、歯科医師の指示に従って適切な姿勢を保ち、不必要な舌の動きや嚥下を控えることが大切です。ラバーダム装着時は、違和感があっても我慢していただき、緊急時以外は口を動かさないよう心がけてください。
また、治療中に気分が悪くなった場合や、痛みを感じた場合は、すぐに歯科医師に伝えることで、適切な対応を受けることができます。患者さんと歯科医師の良好なコミュニケーションも、効果的な唾液管理につながります。
唾液管理が不十分な場合のリスクと対策
唾液管理が不十分な根管治療は、様々な深刻な問題を引き起こす可能性があります。
治療失敗のリスク
ラバーダムを使用できない保険診療の根管治療により細菌汚染が発生すると、根管治療の成功率は著しく低下します。
治療失敗の症状としては、治療後の痛みや腫れ、根尖病巣の形成、最悪の場合は抜歯が必要になることもあります。これらの症状は、治療直後ではなく数ヶ月から数年後に現れることが多いため、初期の唾液管理の重要性が見過ごされがちです。
再治療の必要性と対策
唾液管理が不十分だった場合、再根管治療が必要となることがあります。再治療は初回治療よりも困難で、成功率も低下し、治療期間も長くなる傾向があります。
このようなリスクを避けるためには、初回治療時に適切な唾液管理を徹底することが最も重要です。また、定期的な経過観察により、早期に問題を発見し、適切な対応を取ることも大切です。
根管治療における唾液管理は、治療成功の最も重要な要因の一つです。唾液に含まれる細菌による汚染や治療材料への悪影響を防ぐため、ラバーダム防湿法が不可欠です。
患者さんにおかれましても、治療前の口腔清掃や治療中の協力により、より良い治療結果を得ることができます。唾液管理を軽視した根管治療は、治療失敗や再治療のリスクを大幅に高めるため、信頼できる歯科医院での適切な処置を受けることをお勧めします。
根管治療は、天然歯を保存するための重要な治療です。適切な唾液管理により、長期間にわたって健康な歯を維持していただけることを願っています。治療に関してご不明な点がございましたら、遠慮なく当院にご相談ください。当院では根管治療を行う際は必ずラバーダムを使用します。LINEまたははお電話(0438-38-4854)からご予約ができます。
医師紹介
理事長 渡辺 泰平(歯学博士)
資格
PERF-JAPAN講師(根管治療)
MicroPex Hygienic Laboratory講師(歯周病治療)
Karl Kaps Germany 認定講師(マイクロスコープ)
日本・アジア口腔保健支援機構 第二種感染管理者検定講師
日本顎咬合学会 認定医
認定医日本健康医療学会 認定医
日本・アジア口腔保健支援機構 第一種感染管理者
健康医療コーディネーター