歯の根の治療「最後の薬」で痛みが出るのはなぜ?
千葉で歯の根の治療、根管治療なら陽光台ファミリー歯科クリニックへご相談ください。
根管治療(歯の神経の治療)は、感染した神経や血管を取り除き、根の内部をきれいに消毒したあと、最後に薬を詰めて密封することで完了します。
通常は、この「最後の薬」を入れた時点で痛みが落ち着き、歯を安心して使えるようになります。しかし、中には治療の最終段階で「ズキズキする」「噛むと響く」といった痛みが出る方もいます。
こうした痛みは、必ずしも治療の失敗を意味するものではありません。薬による刺激や炎症の回復過程で起こる一時的な反応であることも多く、適切な対応をすれば数日で落ち着くケースもあります。
この記事では、根管治療の最終段階で痛みが出る原因と歯科での対応法・自宅でのケア方法を詳しく解説します。
根管治療の流れと「最後の薬」の役割
根管治療は、歯の内部にある感染源を取り除き、再び細菌が繁殖しないように密封するための治療です。大まかな流れは次の通りです。
1.感染した神経や血管(歯髄)の除去
虫歯や外傷で感染した歯髄を取り除き、歯の根の管(根管)を空にします。
2.根管内部の清掃・消毒
専用の器具と薬剤で根管をきれいに洗浄し、細菌や汚れを取り除きます。
3.薬剤の仮詰め(数回の通院で消毒を継続)
根管内を無菌に近い状態に保つため、抗菌作用のある薬を入れます。
4.最後の薬(根管充填材)の充填と密封
最終的に根管内を薬剤で完全に封鎖します。これにより細菌の再侵入を防ぎ、歯を長期的に保存できます。
この「最後の薬」には、MTAセメント、シーラーとガッタパーチャポイントなど、さまざまな材料が使われます。いずれも根の先までしっかり薬を行き渡らせ、再感染を防ぐことが目的です。根管充填について詳しくはこちらをご覧ください。
最後の薬で痛みが出る主な原因
根管治療の最後に薬を詰めたあと、軽い痛みや違和感が出ることがあります。主な原因は次の通りです。
根尖部(歯の根の先)への軽い刺激
薬を詰める際、根の先付近に軽い圧力や刺激が加わることで、一時的な炎症反応が起こることがあります。これは数日で自然に治まる場合が多いです。
薬のはみ出し
薬が根の先をわずかに超えて出てしまうと、周囲の組織を刺激し、ズキズキした痛みや腫れの原因になることがあります。
噛み合わせによる歯根膜への負担
治療直後は歯の周囲組織が敏感になっており、噛む力が直接刺激になって痛みを引き起こすことがあります。
炎症や感染の残存
根管内の炎症や細菌が完全に除去されていない場合、痛みや腫れが続くことがあります。この場合は追加治療が必要になることもあります。
これらの要因は珍しいものではなく、多くは適切な経過観察とケアで改善します。しかし、強い痛みや長引く症状がある場合は、早めに歯科医院へ連絡することが大切です。
歯科での対応と治療方針
根管治療の最終段階で痛みが出ても、多くの場合は数日〜1週間程度で自然に落ち着きます。しかし、症状の程度や持続期間によっては歯科での追加対応が必要です。
歯科医院で行う主な対応は以下の通りです。
経過観察と鎮痛薬の処方
軽度の痛みであれば、経過を見ながら痛み止めや抗炎症薬で症状をコントロールします。
噛み合わせの調整
噛むと響くような痛みがある場合は、詰め物や歯の高さを微調整して歯根膜への負担を減らします。
薬の置き換えや再治療
薬のはみ出しや感染の残存が疑われる場合は、一度詰めた薬を取り除き、根管の清掃・消毒を再度行うことがあります。
感染拡大の予防
強い腫れや膿が見られる場合は、抗菌薬の投与や排膿処置を行い、周囲組織への影響を防ぎます。
痛みが強くなったり、数日経っても改善しない場合は、我慢せずに早めに歯科医院を受診することが重要です。適切な対処をすれば、歯の保存率は大きく高まります。
自宅でできる痛み緩和と予防策
根管治療の最終段階で痛みが出た場合、自宅でできるセルフケアを取り入れることで、症状の緩和や治癒のサポートが可能です。
硬いものや極端に熱い・冷たいものを避ける
治療直後は歯や周囲組織が敏感になっているため、硬い食べ物や極端な温度の飲食は控えましょう。
噛みしめや歯ぎしりの回避
就寝中や日中に無意識の噛みしめや歯ぎしりをしていないか意識し、必要に応じてマウスピースを使用すると負担を減らせます。
適切な口腔ケア
治療部位周囲の清潔を保つことで、再感染を防ぎ、痛みの悪化を防ぎます。柔らかめの歯ブラシで優しく磨きましょう。
冷やしすぎず、温めすぎずの安静
腫れや違和感がある場合は、無理に刺激せず、安静を心がけます。
症状が悪化した場合は早めの受診
痛みや腫れが強くなったり、数日経っても改善しない場合は、自己判断せず歯科医院に相談しましょう。
これらの対策を組み合わせることで、痛みの緩和と治癒を助け、根管治療の成功率を高めることができます。
根管治療の最終段階で痛みが出ることは珍しくありません。痛みの原因には、薬による軽い刺激、薬のはみ出し、噛み合わせの負担、炎症や感染の残存などが考えられます。多くの場合は数日〜1週間で落ち着きますが、強い痛みや長引く症状がある場合は、早めに歯科医院での診察が必要です。
根管治療の成功には、歯科での適切な処置と自宅でのケアの両方が重要です。痛みや違和感が気になる場合は我慢せずに受診し、早めに対応することが歯の健康を守る最短ルートとなります。
歯の根の治療、根管治療でお悩みの方は一度、千葉県木更津市の歯医者、陽光台ファミリー歯科クリニックへご相談ください。LINEまたははお電話(0438-38-4854)からご予約ができます。
医師紹介
理事長 渡辺 泰平(歯学博士)
資格
PERF-JAPAN講師(根管治療)
PERF-JAPAN認定専門医
MicroPex Hygienic Laboratory講師(歯周病治療)
Karl Kaps Germany 認定講師(マイクロスコープ)
日本・アジア口腔保健支援機構 第二種感染管理者検定講師
日本顎咬合学会 認定医
認定医日本健康医療学会 認定医
日本・アジア口腔保健支援機構 第一種感染管理者
健康医療コーディネーター