千葉で神経の治療なら陽光台ファミリー歯科クリニックへご相談ください。

歯がズキズキと痛む、温かいものがしみる――そんな時、歯科医院で「神経の治療をしましょう」と言われることがあります。これは正式には根管治療(こんかんちりょう)といい、むし歯菌に感染した歯の神経(歯髄)や血管を取り除き、根っこの中(根管)を徹底的に清掃・消毒する治療です。

根管治療は「神経を抜いて終わり」ではありません。根管の清掃・消毒が終わった後に、きれいにした空間に隙間なく「薬」を詰める根管充填(こんかんじゅうてん)という、極めて重要な最終ステップがあります。

根管治療の流れ

この「薬詰め」が不十分だと、せっかく痛みが治まっても、数年後に根っこの先に再び細菌が繁殖し、炎症を起こす「再治療」のリスクが格段に高まってしまうのです。

根管充填は、あなたの歯の寿命を左右すると言っても過言ではありません。この記事では、この重要な処置に使われる「薬の正体」や、なぜこの工程があなたの歯を守る鍵となるのかを詳しく解説します。

 

根管充填に使用する「薬」の正体とは?

「神経の治療で薬を詰める」と言われても、一体どんな薬なのか、体に害はないのか、ご不安に思う方もいるかもしれません。根管充填に用いられる「薬」の正体は、主に2種類の保険適用の材料から成り立っています。

① 主役の充填材:ガッタパーチャポイント
根管内に物理的に充填され、空間を埋める主役となるのがガッタパーチャポイントです。

素材の正体: 主成分はガッタパーチャという天然の樹脂(樹液)です。

使用目的: 根管の空間を緊密に埋め尽くし、外側からの細菌の侵入を封鎖することが最大の目的です。

ガッタパーチャ

② 補助的な接着剤:シーラー
ガッタパーチャポイントだけでは生まれてしまう微細な隙間を埋めるために、シーラーと呼ばれる糊(接着剤)を使用します。

使用目的: シーラーはガッタパーチャポイントと根管の壁の間の隙間を完全に塞ぎ、根管内を無菌状態に保つための手助けをします。

 

難症例の切り札!MTAセメントがもたらす革新(自費診療)

通常の根管充填にはガッタパーチャが使われますが、難症例や再感染リスクが高いケースでは、より高性能な材料であるMTAセメントが自費診療で選択されることがあります。

MTAセメント(Mineral Trioxide Aggregate Cement)の特徴

PROROOT MTAセメント

MTAセメントは、従来の充填材にはない画期的な特性を持っています。

高い封鎖性: 硬化時にわずかに膨張し、根管壁との隙間を最小限に抑え、細菌の再侵入を強力に防ぎます。

高い殺菌作用: 根管内に残った細菌を死滅させる持続的な抗菌効果を発揮します。

MTAセメントを使用することで、感染をより強力に抑え、従来は抜歯せざるを得なかった歯を残せる可能性が高まります。

 

なぜ「薬詰め」が再治療を防ぐ鍵なのか?

根管治療の目的は、根管内から細菌を徹底的に除去し、その状態を維持することです。根管充填の最大の使命は、「封鎖」によって、細菌が二度と根管内に侵入・繁殖できないようにすることです。

封鎖不全が招く「再治療」のリスク
薬詰め(根管充填)が不十分で、根管内にわずかでも隙間ができてしまった場合、唾液に含まれる細菌がその隙間を通って根管内に再び侵入してしまいます。

細菌の再侵入: 隙間から根管内が汚染される。

根尖病巣の再発: 再活性化した細菌が根の先で炎症を起こし、骨を溶かす根尖病巣を再発させる。

抜歯リスクの増大: 治療の繰り返しは歯を弱らせ、最終的に抜歯につながる。

根管充填は、家で例えるなら、「家の基礎工事」にあたります。どんなに高価な被せ物(家屋)を上に作ったとしても、基礎(根管充填)がスカスカでは、すぐに家は傾いてしまいます。緊密で完璧な根管充填こそが、歯の寿命を延ばすための最重要ポイントなのです。

被せ物について

 

治療の質を決める選択:保険と自費の根管治療の違い

根管充填の重要性がわかった上で、その「緊密さ」や「成功率」を高めるために、歯科医院がどのような環境で治療を行っているかが非常に重要になります。

保険診療の根管治療

治療の目的:全国一律の治療基準を満たすこと
機器の使用:主に肉眼、平面レントゲン
細菌対策:ラバーダム防湿の使用に制限あり
充填材(薬):ガッタパーチャ(保険適用)
治療時間:1回30分程度(回数が多い)

肉眼での歯科治療

自費診療の根管治療

治療の目的:歯の長期的な保存(成功率の最大化)
機器の使用:マイクロスコープ、歯科用CTを使用
細菌対策:ラバーダム防湿をほぼ必須とする
充填材(薬):MTAセメントなど最新材料も選択可能
治療時間:1回1時間以上(時間をかけて丁寧に処置)

陽光台ファミリー歯科クリニックの根管治療

保険診療と自費診療の根管治療の違いについて詳しくはこちらをご覧ください。

自費診療では、高倍率で根管を拡大できるマイクロスコープ、唾液からの細菌侵入を完全に防ぐラバーダム防湿、そして複雑な根管にも対応できる柔軟な器具を使用できます。これらの環境が、根管内から細菌を徹底的に除去し、緊密な薬詰め(充填)を行うことを可能にし、再治療リスクを大幅に下げます。

「自分の大切な歯を生涯残したい」と強く願う場合は、自費診療による精密根管治療を選択肢として検討することが、非常に有効な手段となります。

 

根管充填の流れ

根管充填の成功を決定づけるのは、緊密に薬を詰める「技術」です。ここでは、当院で行っている根管充填の基本的な手順を解説します。

1. 根管の最終消毒と乾燥 清掃・消毒液で根管内を洗い、完全に湿り気を除去します。 細菌や湿気を残さず、シーラーが根管壁にしっかりと接着できる状態にします。
2. シーラーの塗布 根管の壁全体に、少量のシーラー(糊)を塗布します。 ガッタパーチャと壁の間の微細な隙間を完璧に埋めるための下準備です。
3. ガッタパーチャの挿入と加圧 根管の先端までガッタパーチャポイントを挿入し、器具で横や下方向に強く圧力をかけ、隙間がゼロになるように緊密に詰めていきます。 「スキマなく詰める」という、根管充填の成功を決定づける最も重要な作業です。
4. レントゲン確認 充填後、必ずレントゲン撮影を行い、根の先端まで薬が適切に、かつ緊密に充填されているかを確認します。

 

まとめ:あなたの歯の寿命は「根管充填の質」で決まる!

この記事では、「神経の治療」の最終ステップである根管充填(薬詰め)の重要性と、治療の質を決める選択肢について解説しました。
根管充填の質は、あなたの歯を何十年も持たせるか、数年でダメにしてしまうかを決定づけます。ご自身の歯を生涯残すために、治療の質と選択肢について、担当の歯科医師と十分に話し合い、最善の治療法を選択しましょう。

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あなたの根管治療、本当に「成功」していますか?

根管治療(神経の治療)は、歯の寿命を左右する非常にデリケートな治療です。

「治療が終わったはずなのに、またズキズキしてきた…」 「数年後に『再治療が必要です』と言われてしまった…」

もしあなたが過去にこのような経験がある、または今、根管治療に対して不安を抱えているなら、それは「最後の薬詰め(根管充填)」の質に原因があるかもしれません。

当院では、あなたの歯を再治療のループから守り、生涯残すために、「精密」にこだわった根管治療を提供しています。歯の痛みや根管治療に関するご不安がある方は、まずはお気軽にご相談ください。

LINEまたははお電話(0438-38-4854)からご予約ができます。

陽光台ファミリー歯科クリニック

 

医師紹介

理事長 渡辺 泰平(歯学博士)

資格

PERF-JAPAN講師(根管治療)

PERF-JAPAN認定専門医

MicroPe​x Hygienic Laboratory講師(歯周病治療)

Karl Kaps Germany 認定講師(マイクロスコープ)

日本・アジア口腔保健支援機構 第二種感染管理者検定講師

日本顎咬合学会 認定医

日本アンチエイジング歯科学会

認定医日本健康医療学会 認定医

日本・アジア口腔保健支援機構 第一種感染管理者

健康医療コーディネーター

陽光台ファミリー歯科クリニック