妊娠初期の根管治療は本当に安全?
千葉でマタニティ歯科、成功率の高い根管治療を行っている歯医者、陽光台ファミリー歯科クリニックです。
妊娠初期は、つわりがひどく体調も不安定になりがちです。その上、歯の根の治療(根管治療)が必要と言われたら、「赤ちゃんに影響はない?」「麻酔は使って大丈夫?」と、大きな不安に襲われることでしょう。
ご安心ください。私たちは、妊娠中の患者様の治療を「安全第一」で進めることを最優先に考えています。特に妊娠初期(妊娠4週〜15週頃)は、歯科治療においても可能な限り負担の少ない処置を選択することが基本です。しかし、歯の根の炎症や感染を放置すると、激しい痛みが続くばかりか、化膿が広がり、母体の全身の健康にまで影響を及ぼすリスクもあります。このため、「痛みがあるのに無理に我慢する」ことは必ずしも良い選択とは言えません。
このブログでは、妊娠初期に根管治療が必要になった場合に知っておくべきリスクと、お母さんと赤ちゃんのために安全に治療を進めるための具体的な対処法を分かりやすく解説していきます。つらい痛みを抱える妊婦さんが、安心して最善の選択をできるようサポートします。
妊娠初期(4~15週)に根管治療が必要な場合の「リスク」
妊娠初期の根管治療は、一般的に「避けるべき」と言われることが多いですが、それは具体的にどのようなリスクがあるからでしょうか? リスクは大きく分けて「胎児への影響」と「母体への影響」の2つがあります。
1. 胎児への影響:特に「投薬」と「ストレス」
リスク要因 影響と注意点
投薬(抗生物質、鎮痛剤):妊娠初期は、胎児の器官形成期と重なります。安全性が確立されていない薬の服用は、極めて慎重に行う必要があります。歯科で使う薬の多くは安全ですが、医師への申告が必須です。妊婦さん・授乳中のお薬について詳しくはこちらをご覧ください。
レントゲン(X線撮影):根管治療にはレントゲンが欠かせません。しかし、歯科用レントゲンは放射線量が極めて少なく、腹部から離れているため影響はほぼないとされますが、念のため必ず「防護エプロン」を使用します。
治療によるストレス:長時間の治療や痛み、不安によるストレスは、流産につながる可能性も否定できません。
2. 母体への影響:つわりによる体調悪化
妊娠初期はつわりが最もひどい時期です。
仰向けでの治療がつらい。
器具を口に入れることで吐き気を催しやすい。
体調が優れない中での無理な治療は、精神的・肉体的な負担が非常に大きく、治療自体の効率も悪くなります。
妊娠初期の根管治療を「安全」に進めるための3つの対処法
治療を完全に避けるのが難しい場合でも、安全性を高めるための対策を講じれば、リスクを最小限に抑えることが可能です。
対処法1:局所麻酔は「使用可能」だが、量と種類に配慮
歯の治療で使う局所麻酔薬は、胎盤を通過しても胎児に影響を及ぼさない安全性の高い成分です。痛みを我慢するストレスの方が胎児に悪影響となるため、必要量を適切に使用します。ただし、量と種類には細心の注意を払います。
対処法2:レントゲン撮影は「最小限」かつ「防護」を徹底
根管治療には病巣の正確な診断が不可欠です。レントゲン撮影が必要な場合は、デジタルレントゲンで被ばく量を最小限にし、必ず厚手の鉛入り防護エプロンで腹部を完全に覆います。この対策により、胎児への影響は無視できるレベルまで低減されます。
対処法3:投薬は「最小限」に
治療後に抗生物質や痛み止めが必要な場合、胎児への安全性が確認されている薬を、必要最小限の期間のみ処方します。自己判断での市販薬服用は絶対に避けてください。
「妊娠中期」と比較! 妊娠初期に治療を避けるべき理由と「応急処置」
歯科治療の最適な時期は、体調が安定し、胎児への影響も少ないとされる「妊娠中期(16週〜27週頃)」です。妊娠初期に治療を避けるべき最大の理由は、「器官形成期」であることと、母体の体調不安定さにあります。もし、妊娠初期に激しい歯の痛みに襲われた場合は、治療を先送りするために以下の応急処置を行います。
痛みの原因除去(応急処置) :炎症を起こしている神経を部分的に取り除くなど、本格的な根管治療ではなく、痛みを緊急で抑えるための最小限の処置に留めます。
薬の塗布:患部に薬を塗布することで、細菌の増殖を抑え、一時的に痛みを鎮めます。
自宅での対処:産婦人科で処方された安全な鎮痛剤を服用する。市販薬の服用は控えてください。
歯科医師と相談し、痛みがコントロール可能であれば、本格的な根管治療は体調が安定する妊娠中期まで延期するのが、最も安全で賢明な選択です。
歯科医院選びのポイント:妊娠を伝えて安心できる治療を受けるには
妊娠中の治療を安全に進めるためには、患者さん自身が積極的に情報を伝え、安心して任せられる歯科医院を選ぶことが重要です。
1. 初診時に必ず伝えるべき3つの重要事項
・現在の妊娠週数(〇週目)と出産予定日
・産婦人科の主治医の名前と連絡先(連携が必要になる可能性があるため)
・つわりの状況や、治療中に気分が悪くなった際の具体的な症状
これらの情報を伝えることで、歯科医師は仰向けの角度や治療時間、使用する薬剤について細心の注意を払うことができます。
2. 安心できる歯科医院を選ぶポイント
・「マタニティ歯科」を標榜している、または妊婦さんの治療経験が豊富な歯科医院を選ぶ。当院のマタニティ歯科ページはこちら
・治療方針について、リスクや延期の可能性を含めて丁寧に説明してくれるか。
妊娠初期のつらい症状の中での根管治療は、不安が大きいものです。しかし、我慢せずに歯科医師に相談し、リスクと対処法を理解した上で、最も安全な時期と方法で治療を進めていきましょう。
まとめ:妊娠初期の根管治療で「安全」を最優先するために
この記事では、妊娠初期のつらい歯の痛みと根管治療について解説しました。
最も大切なポイントは、「妊娠初期は、本格的な根管治療を妊娠中期まで延期するのが原則」ということです。しかし、痛みがひどい場合は、我慢せずに応急処置が必要です。妊娠中の歯科治療は不安が伴いますが、経験豊富な歯科医師と連携することで、リスクを最小限に抑え、安全に痛みを解消することができます。お母さんの全身の健康は赤ちゃんのためにも非常に大切です。安心してご相談ください。
千葉県木更津市の歯医者、陽光台ファミリー歯科クリニックでは根管治療だけでなく、妊婦さんと生まれてくる赤ちゃんのためにマタニティ歯科、妊婦歯科検診を行っています。LINEまたははお電話(0438-38-4854)からお気軽にご連絡ください。