歯の根っこの掃除が痛い!原因と対処法
千葉で成功率の高い根管治療をしている歯医者、陽光台ファミリー歯科クリニックです。
歯の根っこの掃除、正式には「根管治療」と呼ばれる治療について、まず基本的な内容をお伝えします。
根管治療は、歯の内部にある歯髄(神経と血管)が細菌感染や外傷により炎症を起こした際に行われる治療法です。歯の中心部には根管と呼ばれる細い管があり、そこには歯髄が通っています。
虫歯が進行して歯髄に達したり、外傷により歯髄が損傷したりすると、激しい痛みや腫れが生じます。
この状態を放置すると、感染が歯の根の先端まで広がり、最終的には歯を失うことになってしまいます。そこで、感染した歯髄を除去し、根管内を清掃・消毒して、再び細菌が侵入しないよう薬剤を充填する治療が根管治療なのです。
根管治療の流れは以下のようになります。
1. 局所麻酔を行う
2. 歯に穴を開けて根管にアクセス
3. 感染した歯髄を除去
4. 根管内を清掃・拡大
5. 消毒薬で洗浄
6. 根管充填
7. 冠の修復
この治療により、本来であれば抜歯が必要な歯でも保存することが可能になります。詳しい根管治療の流れはこちらをご覧ください。
歯の根っこの掃除が痛い主な理由
根管治療で痛みを感じる理由は複数あり、それぞれのメカニズムを理解することで、適切な対処が可能になります。
1. 既存の炎症による痛み
治療前から歯髄や根の先端部分に炎症があるため、治療器具が触れることで痛みが増強されます。特に急性炎症の場合、わずかな刺激でも激痛が走ることがあります。
2. 治療中の物理的刺激
根管内の清掃や拡大処置では、細い器具を根管内に挿入して感染組織を除去します。この際の機械的刺激が痛みの原因となることがあります。また、洗浄液の温度や圧力も痛みを引き起こす要因です。
3. 麻酔が効きにくいケース
炎症が強い場合、組織のpH値が変化し、局所麻酔薬の効果が減弱することがあります。
4. 心理的な要因
歯科治療への不安や恐怖心が痛みを増強させることがあります。緊張状態では痛みを感じやすくなり、実際の刺激以上に痛みを強く感じることがあります。
5. 個人差
痛みの感じ方には大きな個人差があります。同じ治療を行っても、全く痛みを感じない方もいれば、強い痛みを訴える方もいらっしゃいます。これは痛覚の閾値や炎症の程度、全身状態などが関係しています。
痛みを和らげる方法と対処法
根管治療の痛みは適切な対処により大幅に軽減することが可能です。治療前、治療中、治療後の各段階でできる対策をご紹介します。
治療前の準備
治療前日から当日朝にかけて、十分な睡眠と栄養摂取を心がけましょう。体調が悪い状態では痛みを感じやすくなります。また、治療前の不安を軽減するため、歯科医師に治療内容や痛みについて詳しく質問し、不安を解消しておくことが重要です。
治療中の痛み対策
麻酔が効いているか確認してから治療を開始してもらいましょう。痛みを感じた場合は我慢せず、すぐに歯科医師に伝えることが大切です。追加の麻酔や別の麻酔方法を選択することで、痛みを軽減できます。また、リラックスするため、深呼吸を意識的に行うことも効果的です。
治療後のケア方法
治療後は麻酔が切れると痛みを感じることがありますが、これは正常な反応です。処方された痛み止めを適切なタイミングで服用することで痛みを和らげることができます。
<市販薬の適切な使用法>
歯科医師から処方薬が出ていない場合、市販の解熱鎮痛薬を使用できます。ただし、服用前には必ず歯科医師に相談し、用法・用量を守って使用してください。
<日常生活での注意点>
治療当日は激しい運動や長時間の入浴、飲酒は避けましょう。これらの行為は血行を促進し、痛みや腫れを悪化させる可能性があります。また、患側での咀嚼は避け、柔らかい食事を心がけることも大切です。
歯科医院での痛み軽減の取り組み
現代の歯科医療では、患者様の痛みを最小限に抑えるための様々な技術や取り組みが導入されています。
CTを使った正確な診査・診断
従来のレントゲン写真では見えなかった根管の詳細な形態や病変の範囲を、歯科用CTにより三次元的に把握することができます。これにより、見落としがちな根管の発見や、病変の正確な位置の特定が可能になり、より確実で痛みの少ない治療計画を立案できます。
マイクロスコープを使用した精密治療
肉眼では見えない細部まで拡大して観察できるマイクロスコープの導入により、根管内の状況を正確に把握しながら治療を進めることができます。感染組織の取り残しを防ぎ、健康な組織への不要な侵襲を避けることで、治療中および治療後の痛みを大幅に軽減できます。
最新の麻酔技術
症例に応じた最適な麻酔法を選択します。また、麻酔液を体温に温めることで注入時の不快感を軽減したり、電動麻酔器を使用して注入速度を一定に保つことで痛みを最小限に抑えています。
治療機器の進歩
ニッケルチタン製のロータリーファイルや超音波洗浄システムなど、最新の治療機器により、より効率的で痛みの少ない根管治療が可能になりました。これらの機器は従来の手動器具と比較して、治療時間の短縮と痛みの軽減を実現しています。
歯科医師とのコミュニケーション
治療前の十分な説明と、治療中の声かけにより、患者様の不安を軽減します。痛みを感じた際のサインを事前に決めておくことで、迅速な対応が可能になります。また、患者様の痛みの感じ方や過去の治療歴を詳しく聞き取ることで、個々に最適化された治療計画を立案します。
根管治療専門医院の選択肢
根管治療を専門とする歯科医院では、豊富な経験と専門知識を持つ歯科医師が治療を行います。専門医院では最新の設備や技術が整っており、複雑な症例や再治療にも対応可能です。特に過去の治療で痛みが続いている場合や、一般歯科では治療が困難とされた症例では、専門医院での受診を検討することをお勧めします。
セカンドオピニオンの活用
現在の治療で痛みが続く場合や、治療方針に不安がある場合は、セカンドオピニオンを求めることも一つの選択肢です。別の歯科医師の意見を聞くことで、より適切な治療法が見つかる可能性があります。
根管治療を成功させるためのポイント
根管治療の成功は、痛みの軽減だけでなく、長期的な歯の保存にとって極めて重要です。
歯科用CTによる正確な診断
治療前の詳細な診査として、歯科用CTによる三次元的な画像診断が重要です。従来の二次元レントゲンでは見えない根管の湾曲や分岐、病変の範囲を正確に把握することで、適切な治療計画を立案し、不必要な痛みを避けることができます。CTによる事前診断により、治療の成功率が格段に向上します。
治療の継続の重要性
根管治療は通常数回の通院が必要です。痛みが治まったからといって治療を中断すると、再感染のリスクが高まり、より複雑な治療が必要になったり、最終的に抜歯が必要になったりします。必ず歯科医師の指示に従い、治療を最後まで受けることが大切です。
日常生活での注意点
治療中の歯での咀嚼は避け、仮の詰め物が取れないよう注意しましょう。また、定期的な口腔清掃により、他の歯の虫歯予防も心がけることが重要です。喫煙は治癒を妨げるため、治療期間中は禁煙をお勧めします。
予防法
根管治療が必要になる主な原因は虫歯の進行です。日頃からフッ素配合歯磨き粉を使用した適切な歯磨き、デンタルフロスや歯間ブラシの使用、糖分の摂取制限などにより、虫歯を予防することが最も重要です。
定期健診の大切さ
治療完了後も定期的な健診を受けることで、治療した歯の状態を監視し、問題の早期発見・早期治療が可能になります。また、レントゲン検査により根の先端部分の治癒状況を確認し、必要に応じて追加治療を行うことができます。
全身健康との関連
糖尿病などの全身疾患は口腔内の治癒を遅らせ、感染リスクを高める可能性があります。全身の健康管理も歯科治療の成功に重要な要素です。
まとめの文章
歯の根っこの掃除(根管治療)における痛みは、適切な理解と対処により大幅に軽減することが可能です。
現代の歯科医療では、歯科用CTによる正確な診断、マイクロスコープを使用した精密治療、根管治療専門医院での高度な治療により、患者様の痛みを最小限に抑える取り組みが進んでいます。
歯の痛みでお悩みの方は、早めに歯科医院を受診し、専門医による適切な診断と治療を受けることをお勧めします。当院では、マイクロスコープやCTを使用した成功率の高い根管治療を行っております。LINEまたははお電話(0438-38-4854)からご予約ができます。
医師紹介
理事長 渡辺 泰平(歯学博士)
資格
PERF-JAPAN講師(根管治療)
MicroPex Hygienic Laboratory講師(歯周病治療)
Karl Kaps Germany 認定講師(マイクロスコープ)
日本・アジア口腔保健支援機構 第二種感染管理者検定講師
日本顎咬合学会 認定医
認定医日本健康医療学会 認定医
日本・アジア口腔保健支援機構 第一種感染管理者
健康医療コーディネーター