自費診療の根管治療、本当に高いの?費用と効果を徹底解説
千葉で自費診療による成功率の高い根管治療をしている歯医者、陽光台ファミリー歯科クリニックです。
当院では、成功率の観点から自費診療でのみ根管治療を行っています。保険診療の根管治療との違いやメリットを詳しくご説明していますので、最後までご覧ください。
自費根管治療とは何か?基本的な理解
根管治療の基本と種類を知ろう
根管治療(根の治療)とは、虫歯が深く進行して神経まで達した場合や、歯の神経が細菌感染や外傷で炎症を起こした場合に行われる治療です。この処置では、歯の内部にある感染した神経(歯髄)を除去し、根管(神経の通り道)を清掃・消毒した後、適切な材料で充填します。根管治療は「根の治療」や「神経の治療」とも呼ばれ、歯を抜かずに残すための重要な治療法です。
保険診療と自費診療の根本的な違い
日本の歯科医療制度では、根管治療に対して「保険診療」と「自費診療」の2つの選択肢があります。保険診療は健康保険が適用されるため費用負担が少なく、3割負担の場合、数千円から1万円程度で治療を受けられます。一方、自費診療は保険適用外となるため全額自己負担となりますが、時間や使用材料、治療技術に制限がありません。
自費診療の選択肢がある理由
保険診療による根管治療には、診療報酬の制約から治療時間や使用できる器具・材料に限りがあります。特に複雑な根の形状を持つ歯や、過去の治療が失敗したケースでは、より精密な治療が必要になることがあります。自費診療では、マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)やCTなどの最新機器を活用し、根管内部を詳細に観察しながら治療できるため、難症例でも歯の保存率を高められる可能性があるのです。
自費根管治療の費用相場
自費根管治療の費用は、一般的に1歯あたり5万円~15万円程度と歯科医院によって違います。前歯のような単根歯(根が1本)の場合は比較的安価で、5万円前後から始まることが多いでしょう。一方、奥歯のような多根歯(根が複数ある)では、根管の数や複雑さに応じて8万円~15万円程度かかることが一般的です。特に難症例や再治療のケースでは、さらに高額になる場合もあります。当院で行っている根管治療の費用はこちら
費用に含まれるものの内訳
自費根管治療の費用には、以下のような要素が含まれています。
・マイクロスコープやCTなどの高度医療機器の使用料
・NiTiファイル(柔軟性の高い特殊な根管治療用器具)などの高品質な器具
・MTA(Mineral Trioxide Aggregate)やバイオセラミックシーラーなどの高品質な充填材
・十分な治療時間の確保(保険診療の3~5倍程度)
・専門的な知識と技術を持つ歯科医師による処置
これらの要素が組み合わさることで、保険診療と比較して高額になりますが、その分治療の質と精度は格段に向上します。
なぜ自費根管治療は高く感じるのか?
<使用する材料・機器の質的違い>
自費根管治療が高額に感じられる最大の理由は、使用される材料や機器の質にあります。保険診療では使用できない最新機器、例えば歯科用マイクロスコープ、歯科用CTなどの高額医療機器を活用します。また、NiTiロータリーファイルという特殊な金属製の器具や、生体親和性の高いMTAやバイオセラミック系の充填材なども使用します。これらの先進的な機器や材料は高額である上、定期的な更新や維持費もかかるため、治療費に反映されます。
<治療時間と技術的な違い>
保険診療の根管治療は時間的制約が厳しく、複雑なケースでも十分な時間をかけられないことがあります。一方、自費診療では1回の治療に1~2時間かけることも珍しくなく、複数回の来院にわたって丁寧に治療を進めます。また、マイクロスコープを用いた精密な治療には高度な技術と長年の経験が必要です。こうした時間的投資と専門的技術への対価が治療費に含まれているのです。
<保険診療との価格差が生じる根本的理由>
保険診療と自費診療の価格差が生じる根本的な理由は、日本の健康保険制度にあります。国民皆保険制度は広く基本的な医療を提供するために設計されており、根管治療においても最低限の治療を保証しています。しかし、医療技術の進歩は速く、最新の治療法や材料をすべて保険適用にすることは財政的に困難です。そのため、より高度で精密な治療を望む場合は、その差額を自己負担する形となります。この仕組みが、自費根管治療が「高く感じる」主な要因となっているのです。
自費根管治療のメリットと長期的視点
・治療精度と成功率の違い
自費根管治療の最大のメリットは、治療の精度と成功率の高さです。マイクロスコープを使用することで肉眼では見えない細かな根管や亀裂も確認でき、感染源を確実に除去できます。特に複雑な根管形態や再治療のケースでは、この精度の差が治療結果を大きく左右します。マイクロスコープなどを使用しない保険診療の根管治療では、成功率は50%以下と報告されています。
・歯の長期保存への影響
精密な根管治療は歯の長期保存に直結します。根管内の感染源が完全に除去されていないと、数年後に再び痛みや腫れが生じる可能性があります。自費診療では、根管内部の清掃・消毒を徹底的に行い、緊密な充填を実現することで、治療後10年以上にわたって問題なく機能する歯を維持できる可能性が高まります。自分の歯で食事を楽しむ喜びや、口腔機能の維持を考えると、その価値は計り知れません。
・再治療リスクと長期的なコスト比較
一見高額に思える自費根管治療ですが、長期的な視点で見ると必ずしも「高い」とは言えない場合があります。保険診療で根管治療を受けた歯が数年後に再発し、再治療や最終的に抜歯・インプラント治療になった場合、トータルコストは自費根管治療よりも高くなることがあります。
例えば
保険根管治療(初回):約1万円
再治療(数年後):約1万円
抜歯(再治療失敗後):約5千円
インプラント治療:約30~50万円
総額:約32~52万円
対して自費根管治療で確実に治療できれば、その費用は10~15万円程度で済みます。歯の喪失による精神的・肉体的負担も考慮すると、初期投資としての自費診療には大きな価値があると言えるでしょう。
自費根管治療を選ぶべきケースと相談のポイント
自費根管治療が特に推奨されるケース
・複雑な根管形態を持つ歯:奥歯や前歯C字型根管など特殊な形態の場合
・過去の根管治療が失敗したケース:痛みや膿が再発している再治療症例
・破折(ひび・割れ)の疑いがある歯:マイクロスコープによる精密診査が必要
・長期的に歯を残したい重要な歯:前歯や噛み合わせの要となる歯
これらのケースでは、保険診療の制約内では十分な治療効果が得られない可能性が高く、自費診療による精密な治療が推奨されます。
歯科医師との相談時のチェックポイント
自費根管治療を検討する際、歯科医師との相談で以下の点を確認しましょう。
・治療内容の詳細説明:どのような器具・材料を使用し、どのような手順で治療するのか
・医師の専門性と経験:根管治療の専門的なトレーニングや経験があるか
・成功率と予後:その歯の状態での治療成功率と長期予後の見通し
・代替治療との比較:保険診療での治療や抜歯・インプラントとの比較
・術後の経過観察:治療後のフォローアップ体制
医師が丁寧に説明し、患者の疑問に誠実に答えてくれる歯科医院を選ぶことが重要です。
費用面での不安を解消する方法
・医療費控除の活用:年間の医療費が10万円を超える場合、確定申告で一部が還付される
・分割払いの相談:多くの歯科医院では医療ローンや分割払いに対応している
・段階的な治療計画:緊急性の高い歯から優先的に治療し、費用を分散させる
また、複数の歯科医院でセカンドオピニオンを求めることも、適切な治療と費用のバランスを判断する上で役立ちます。
自費根管治療の費用は確かに保険診療と比較すると高額に感じられますが、使用される最新機器や高品質な材料、十分な治療時間の確保、専門的な技術への対価として理解することが大切です。マイクロスコープやCTを用いた精密な治療により、治療成功率が向上し、歯の長期保存につながるメリットがあります。
何より大切なのは、「安いか高いか」ではなく、ご自身の歯の状態や重要度、長期的な口腔健康にとって最適な選択をすることです。信頼できる歯科医師とよく相談し、納得のいく治療法を選択されることをお勧めします。
医師紹介
理事長 渡辺 泰平(歯学博士)
資格
PERF-JAPAN講師(根管治療)
MicroPex Hygienic Laboratory講師(歯周病治療)
Karl Kaps Germany 認定講師(マイクロスコープ)
日本・アジア口腔保健支援機構 第二種感染管理者検定講師
日本顎咬合学会 認定医
認定医日本健康医療学会 認定医
日本・アジア口腔保健支援機構 第一種感染管理者
健康医療コーディネーター