【根管治療の流れ】歯の中で一体何が行われているの…?
こんにちは!PERF-JAPANの講師を務める理事長が根管治療を行う歯医者、陽光台ファミリー歯科クリニックです🍀
実は昨日から、滅菌に関するとある資格取得のための講義を受講しています。日々の診療とWEBのお仕事と講義に大忙しの数週間になりそうですが、患者さん・クリニック・自分のスキルアップのために前向きに頑張ります💪
試験に合格したらまたご報告させてください^^
さて、本日は「根管治療の流れ」について解説していきます。歯科治療はお口の中で行われるため、どんなことをしているのか不安に思う方が多いと思います。特に根管治療は、歯の中(歯の根っこ)の治療なので、よりわかりにくいですよね。
当院のYouTubeチャンネルに根管治療中の動画がアップされていますので、気になる方はこちらをクリックしてぜひご覧ください。
根管治療とは
根管治療とは、歯の内部に存在する神経や血管がある組織である歯髄が虫歯などで感染・炎症を起こした際に、その原因となる組織を取り除き、歯の内部を殺菌・消毒する、歯の根っこの治療です。
根管治療の流れは大きく分けて以下の5つのステップから成り立っています。
- 歯内診査・検査
- 感染した歯髄の除去
- 根管の洗浄・消毒
- 根管の形成と充填
- 最終的な歯の修復
それでは、これらの流れについて詳しく見ていきましょう。
1. 診査・検査
根管治療を行うにあたって、まず最初に歯内診査を行い、具体的な状況を確認します。 このステップでは、以下のような検査が行われます。
- 視診:口腔内を直接観察し、歯の状態を確認する
- 触診:歯を指で触って反応を確認する
- 打診:歯を軽くたたいて、痛みの有無を確認する
- X線(レントゲン)検査:歯の内部構造を詳しく確認する
これらの検査によって、感染の範囲や程度、根管の形態などの情報が得られます。 そして、これらの情報をもとに、具体的な治療計画を立てていくことになります。
2. 感染した歯髄の除去
診査の結果、感染が確認された場合は、まず感染した歯髄を除去する必要があります。 これは、感染源である歯髄を取り除くことで、感染の広がりを止め、根管内を清潔な状態に保つためです。
歯髄の除去は、以下のような手順で行われます。
- 歯の表面を削って、歯髄に到達する
- 歯髄を完全に取り除く
この際、感染した組織を確実に除去することが重要です。 感染が残っていると、痛みが消えない、腫れがひかないなどの症状が出てしまうため、この工程は非常に慎重に行わなければなりません。根管治療ではこの「感染を取り除く」ことがとても大切です。
3. 根管の洗浄・消毒
次に、根管内部の洗浄と消毒を行います。 これは、根管内部に残っている細菌を完全に除去し、無菌の状態に保つためです。
根管の洗浄・消毒では、以下のような手順で行われます。
- 根管内部を様々な薬液で洗浄し、細菌を取り除く
- 根管内部の形状に合わせて、ファイルやリーマーと呼ばれる器具で根管を拡大・形成する
- 薬剤を根管内に注入して、さらに消毒を行う
根管内部を徹底的に洗浄・消毒することで、感染を完全に除去することができます。
4. 根管の形成と充填
根管の洗浄・消毒が完了したら、次は根管の形成と充填を行います。 これは、根管内部を適切な形状にし、そこに根管充填材(根っこの中に詰める薬)を詰めることで、根管内部を完全に密閉し、再び感染が起こらないようにするためです。
根管の形成と充填の手順は以下のとおりです。
- 根管の形状に合わせてファイルなどの器具で根管を拡大・形成する
- 根管内部を洗浄し、最終的な形状を整える
- 根管充填材を用いて根管内部を密閉する
根管充填材には、ガッタパーチャやシーラーと呼ばれる材料が使用されます。 これらの材料を組み合わせて、根管内部を完全に密閉していきます。
ガッタパーチャを使った根管充填
5. 最終的な歯の修復
根管治療の最終ステップは、歯の修復です。 根管治療によって歯の内部が清潔な状態になったら、その上から詰め物や被せ物を装着して、歯の機能と美しさを取り戻します。
歯冠修復には、以下のような種類があります。
- 銀歯(保険診療)
- セラミック(自費診療)
- プラスチックによる充填(保険診療/自費診療)
これらの修復物を装着することで、歯の形態と噛み合わせを回復し、お食事を楽しめたり自費診療の詰め物・被せ物であれば見た目も綺麗にすることができます。
冒頭でもお伝えした通り、感染を取り除き、根っこの中の細菌を限りなくゼロに近づけることが根管治療の成功・失敗に大きく関わります。しかし、数えきれないほどの細菌がいるお口の中で根っこの中を綺麗にすることはほぼ不可能です。治療中に、ほんの少し歯の根っこの中に唾液が入ってしまえば細菌もたくさん入ってきてしまいます。そのため、日本の根管治療の成功率は約40%ととても低いのが現状です。
無菌状態で根管治療をするために用いるのがラバーダム防湿です。ラバーダムは保険診療では算定できないので、一般的な歯医者さんでは使われません。ラバーダムをして根管治療をするかしないかが、治療の成功・失敗をわけるといってもいいかもしれませんね。
根管治療でお悩みの方は必ず!ラバーダム防湿をしている歯医者さんへ行きましょう。