「歯の神経が死んだ」と言われたら？放置は危険！症状と治療法
千葉で歯の神経の治療なら陽光台ファミリー歯科クリニックへご相談ください。
「歯の神経が死んだ」と聞くと、非常に怖いイメージがあるかもしれません。これは「歯髄壊死（しずいえし）」と呼びます。
歯の中心部には、歯髄（しずい）という神経と血管が通っている大切な組織があります。
これが深い虫歯や外傷によって細菌に感染し、機能しなくなって死滅してしまうのが「歯髄壊死」の状態です。
見逃してはいけない初期症状のサイン
神経が死んだ歯は、実は「痛みが消える」という厄介な特徴があります。
・以前ひどく痛んだ歯が、急に痛まなくなった
・熱いものにはしみるが、冷たいものへの反応がない
・歯の色が周囲の歯よりも暗い、または黒っぽく変色した
特に注意が必要なのが、痛みがなくなったケースです。「治った」と勘違いして放置してしまうことが、最大の危険行為となります。
放置は絶対NG！潜む2つの大きな危険性
神経が死んだ後の歯をそのままにしておくと、死んだ組織や細菌が根管内に残り続け、深刻な問題を引き起こします。
歯根の先に膿がたまる（歯根嚢胞や根尖性歯周炎） 細菌が根の先から顎の骨に広がり、膿の袋を作ります。これが進行すると骨を溶かし、歯茎が腫れたり、強い痛みが発生したりします。
「痛みがない＝治った」ではありません。少しでも気になる症状があれば、手遅れになる前に歯科医院を受診しましょう。
なぜ歯の神経は死んでしまうのか？主な3つの原因
歯の神経が死に至る（歯髄壊死を起こす）原因は、主に以下の3つが挙げられます。原因を知ることは、今後の予防にもつながります。
1. 進行した虫歯（最も多い原因）
小さな虫歯はエナメル質や象牙質にとどまっていますが、治療をせずに放置すると、虫歯菌は歯の中心部にある歯髄（神経の部屋）まで到達します。
細菌感染: 歯髄内に細菌が侵入し、激しい炎症（歯髄炎）を起こします。
血流の途絶: 炎症によって歯髄内の圧力が異常に高まり、神経や血管の血流が途絶えて壊死に至ります。
2. 外傷（歯を強くぶつける）
スポーツ中の衝突や転倒などで、歯を強くぶつけた場合も神経が死ぬことがあります。
衝撃による切断: 強い衝撃が加わると、歯の根の先端（根尖）から歯髄に通じている血管や神経が物理的に切断されることがあります。
血流障害: 神経自体は生きていても、血管が損傷することで血流が遮断され、酸素や栄養が届かずに神経が死んでしまいます。この場合、痛みを感じないまま変色が進むことがあります。
3. 過去の治療や歯周病の影響
深い虫歯の治療で神経に刺激が加わった場合や、重度の歯周病によって根の先端にまで炎症が及んだ場合も、歯髄がダメージを受けて死んでしまうことがあります。
歯の神経が死んだ場合の診断と治療の流れ
神経が死んでいることが疑われる場合、歯科医院では以下の方法で正確に診断し、速やかに治療に進みます。
1. 診断方法
レントゲン検査: 歯の根の先端部（根尖）に、膿によって骨が溶けてできた透過像（黒い影）がないかを確認します。
電気歯髄診断: 弱い電流を流し、神経が生きているかどうかの反応を確認します。（死んでいる場合は反応がありません）
視診・触診: 歯の変色の有無や、歯茎の腫れ（フィステル＝膿の出口）がないかを確認します。
2. 根管治療（こんかんちりょう）が必須です
神経が死んだ歯に行われる治療は、原則として根管治療です。これは、歯を抜かずに保存するための最後の砦となる治療です。
根管治療の目的は、歯の根の中にある感染源（死んだ神経や細菌）を完全に除去し、内部を無菌化することです。
1. 根管の探索・拡大：歯を削って根管の入り口を見つけ、専用の器具（ファイル）で内部を丁寧に清掃・拡大します。
2. 徹底的な洗浄・消毒：薬液（次亜塩素酸ナトリウムなど）で根管内部を何度も洗浄・消毒します。
3. 根管への薬剤充填：根管内が無菌状態になったことを確認後、再び細菌が入らないよう、ゴムのような薬材（ガッタパーチャ）で根管の隙間を緊密に封鎖します。
根管治療って痛い？治療期間と費用（保険・自費）について
根管治療は「痛い」というイメージを持つ方もいますが、ご安心ください。初期段階で痛みがひどい場合は麻酔を使用するため、治療中に強い痛みを感じることはほとんどありません。
1. 治療期間の目安（保険診療）
根管治療は非常に繊細な作業であり、数回に分けて慎重に行う必要があります。
期間: 平均して7回から8回の通院が必要です。
1回あたりの時間: 処置内容によりますが、15分〜30分程度です。
根管内が複雑な形状をしている場合や、膿が多い場合は、殺菌・消毒に時間を要するため、治療期間は長くなります。
2. 根管治療の費用：保険 vs 自由診療（自費）
根管治療は保険適用で行うことができますが、より成功率を高めるために、自由診療を選択するケースも増えています。保険診療と自費診療の根管治療の違いについて詳しくはこちらをご覧ください。
自由診療は高額ですが、マイクロスコープやラバーダムを使うことで、再発リスクが大幅に低減します。歯を抜かずに一生使い続けたいという場合は、精密な根管治療を検討する価値は十分にあります。
神経を抜いた（死んだ）歯を長持ちさせるためのポイント
無事に根管治療が完了しても、それで終わりではありません。神経のない歯には特有のリスクがあるため、その後のケアが歯の寿命を左右します。
1. 歯が脆くなる：必ず「被せ物（クラウン）」を装着する
神経を失った歯は、歯髄から供給されていた水分や栄養が行き届かなくなるため、健康な歯に比べて柔軟性が失われ、非常に脆くなります。
破折のリスク: 治療後に土台（コア）を入れ、その上から全体を覆う被せ物（クラウン）を装着しないと、噛む力で歯が割れてしまう「歯根破折」を起こしやすくなります。
クラウンの役割: クラウンは、歯を補強し、細菌の再侵入を防ぐ「フタ」としての役割も果たします。
2. 二次的な虫歯・再感染に注意
神経がないため、虫歯になっても痛みを感じません。そのため、虫歯が進行して気づいたときには手遅れになっているケースが多くあります。
根管の再感染: 被せ物の下に隙間ができたり、歯が欠けたりすると、そこから細菌が侵入し、根管内で再び感染を起こす（再根管治療が必要になる）リスクが高まります。
3. 定期検診とプロフェッショナルケアの重要性
神経のない歯を守るためにも、最低でも3〜6ヶ月に一度の定期検診は欠かせません。
早期発見: 痛みがない歯でも、レントゲンで根の先の状態をチェックし、問題の早期発見に努めます。
プロによる清掃: 被せ物の縁や、歯と歯茎の境目などを歯科衛生士が丁寧に清掃し、虫歯や歯周病のリスクを徹底的に下げましょう。
まとめ：歯の神経が死んだら、まずは落ち着いて歯科医院へ！
本記事では、「歯の神経が死んだ（歯髄壊死）」と言われた際の症状、原因、そして最も重要である根管治療について解説しました。
最後に、重要なポイントを再確認しましょう。
放置は絶対NG: 痛みがなくなったとしても、根の先に膿がたまり、歯の寿命だけでなく全身の健康にまで悪影響を及ぼします。
根管治療が唯一の道: 歯を抜かずに守るためには、感染源を徹底的に除去する根管治療が不可欠です。
精密治療を検討: 成功率を高め、再発を防ぐためには、マイクロスコープなどを使用した精密な自由診療を選択肢に入れる価値があります。
治療後のケア: 神経のない歯は脆いため、必ず被せ物（クラウン）で補強し、定期検診で二次的なトラブルを防ぎましょう。
「歯の神経が死んだ」ことはネガティブな出来事ですが、適切な処置を行えば、その歯を長く使い続けることは十分可能です。不安を抱えず、まずは信頼できる歯科医院を受診してください。
今すぐ行動を！当院での精密治療があなたの歯を守ります
「歯の神経が死んだかも…」「過去に治療した歯が変色している」—もしあなたがこのような不安を感じていらっしゃるなら、放置はせず、今すぐ当院へご相談ください。
当院は、精密な根管治療を通じて、大切な歯を「抜かずに守り抜く」ことを使命としています。
1. マイクロスコープによる精密診断と治療
肉眼では見えない複雑な根管内を、高倍率のマイクロスコープ（歯科用顕微鏡）を用いて拡大し、感染源を徹底的に見つけ出し除去します。これにより、治療の成功率と歯の寿命を格段に高めます。
2. 再感染を防ぐための徹底した無菌化対策
根管治療の成功は、無菌的な環境作りにかかっています。治療中は必ずラバーダム防湿を行い、唾液に含まれる細菌の根管内への侵入を完全に防ぎます。
3. 治療後の長期的なサポート体制
根管治療完了後も、脆くなった歯を守るための最適な被せ物（クラウン）のご提案から、定期的なメンテナンスまで、歯の寿命を延ばすためのサポートを継続的に提供いたします。
迷っている間に、症状は進行します。痛みがなくても、根の先では感染が進行し、骨が溶けている可能性があります。手遅れになり「抜歯」という選択肢しか残らなくなる前に、ぜひ一度、当院で精密な検査を受けてみませんか。
LINEまたははお電話（0438-38-4854）からご予約ができます。
医師紹介
理事長 渡辺 泰平(歯学博士)
資格
PERF-JAPAN講師（根管治療）
PERF-JAPAN認定専門医
MicroPex Hygienic Laboratory講師（歯周病治療）
Karl Kaps Germany 認定講師(マイクロスコープ)
日本・アジア口腔保健支援機構 第二種感染管理者検定講師
日本顎咬合学会 認定医
認定医日本健康医療学会 認定医
日本・アジア口腔保健支援機構 第一種感染管理者
健康医療コーディネーター