歯の奥がズキズキ痛い!原因別症状と今すぐできる対処法
千葉で根管治療が得意な歯医者、陽光台ファミリー歯科クリニックです。
歯の奥がズキズキと脈打つような痛みを感じる場合、複数の原因が考えられます。
虫歯による神経の炎症が最も一般的な原因です。特に奥歯は磨きにくく、虫歯が進行しやすい部位です。虫歯が歯髄(神経)まで達すると、激しいズキズキとした痛みが生じます。
この痛みは夜間に悪化することが多く、冷たいものや熱いものに触れると一層強くなります。
歯周病の進行も重要な原因の一つです。歯茎の炎症が深部まで進むと、歯根周囲に膿が溜まり、強い痛みを引き起こします。この場合、歯茎の腫れや出血を伴うことが多いのが特徴です。
親知らずの問題も見逃せません。親知らずが正常に生えてこない場合や、周囲の歯茎に炎症が起きると、奥歯全体に痛みが広がることがあります。特に20代前後の方に多く見られる症状です。
その他にも、歯ぎしりや食いしばりによる歯への過度な負担、歯の破折、副鼻腔炎による関連痛なども原因となることがあります。
症状別の見分け方と緊急度
痛みの性質や付随する症状によって、原因をある程度特定することができます。適切な対処のために、以下の症状チェックを参考にしてください。
【緊急度:高】早めに歯科受診が必要
– 激しい拍動性の痛みが持続する
– 顔面の腫れを伴う
– 発熱がある(38度以上)
– 口が開けにくい
– 飲み込みにくさがある
【緊急度:中】数日以内の受診が望ましい
– 冷たいものや熱いものでしみる痛み
– 噛むと痛い
– 歯茎からの出血や膿
– 断続的なズキズキ痛み
【緊急度:低】経過観察可能だが受診を推奨
– 軽い違和感程度の痛み
– 特定の動作でのみ痛む
– 一時的な痛み
症状別の特徴的なサイン
虫歯による痛みは、甘いものや冷たいもので誘発され、何もしなくてもズキズキと痛むことが特徴です。歯周病では歯茎の腫れや出血、口臭を伴います。親知らずの問題では、顎の奥の方から痛みが始まり、口の開閉が困難になることがあります。
今すぐできる応急処置法
歯科医院を受診するまでの間、痛みを和らげるための応急処置をご紹介します。ただし、これらは一時的な対症療法であり、根本的な治療ではないことを理解してください。
効果的な痛み止めの使用法
市販の鎮痛剤を適切に服用してください。ただし、用法・用量を守り、他の薬との飲み合わせにも注意が必要です。
口腔内の清潔保持
ぬるま湯での軽いうがいや、痛みのない範囲でのブラッシングで口腔内を清潔に保ちます。ただし、強く刺激しないよう注意してください。
❌避けるべき行動
– 患部を舌で触る
– 熱いものや冷たいものの摂取
– 硬い食べ物を噛む
– アルコールの摂取
– 入浴や激しい運動(血流が増加し痛みが悪化する可能性)
歯科医院での治療法と予防策
歯科医院では、痛みの原因を正確に診断し、適切な治療を行います。主な治療法と、今後同様の痛みを予防するための方法をご説明します。
原因別の治療法
虫歯が原因の場合、進行度に応じて治療方針が決まります。初期虫歯であれば詰め物で対応できますが、神経まで達している場合は根管治療(神経の治療)が必要になります。根管治療は複数回の通院が必要ですが、歯を保存するための重要な治療です。
歯周病による痛みの場合は、歯石除去や歯周ポケットの清掃、重症例では外科的処置が必要になることもあります。抗生物質の投与で感染をコントロールすることもあります。歯周病治療について詳しくはこちらをご覧ください。
親知らずの問題では、状況に応じて抜歯を検討します。ただし、正常に機能している親知らずの場合は保存治療を優先します。
効果的な予防策
日常的な口腔ケアが最も重要です。1日2-3回の丁寧な歯磨き、特に奥歯は時間をかけて清掃してください。デンタルフロスや歯間ブラシの使用も効果的です。
定期健診を3-6ヶ月ごとに受けることで、問題の早期発見・早期治療が可能になります。プロフェッショナルクリーニングにより、日常のケアでは除去できない歯石や汚れも除去できます。
食生活の見直しも重要です。糖分の多い食品や飲料の摂取を控え、食後の口腔ケアを心がけてください。
放置するリスクと受診のタイミング
歯の奥のズキズキ痛みを放置することは、様々な深刻なリスクを伴います。早期受診の重要性と、見逃してはいけない危険信号について詳しく解説します。
放置による重大なリスク
感染の拡大が最も深刻な問題です。歯の感染が顎の骨や周囲の組織に広がると、重篤な疾患を引き起こす可能性があります。これらは入院治療が必要になることもある危険な状態です。
また、感染が血流に乗って全身に広がるリスクもあります。特に糖尿病や免疫力の低下している方は注意が必要です。
歯を失うリスクも高まります。早期であれば保存できた歯も、感染が進行すると抜歯が避けられなくなります。奥歯を失うと咀嚼機能に大きな影響を与え、消化不良や栄養摂取の問題にもつながります。
適切な受診タイミング
痛みを感じた時点で、できるだけ早期の受診をお勧めします。「様子を見る」期間が長くなるほど、治療が複雑になり、費用や通院回数も増加する傾向にあります。
歯の奥のズキズキ痛みは、虫歯、歯周病、親知らずの問題など様々な原因によって生じます。痛みの性質や付随する症状によって緊急度を判断し、適切な応急処置を行いながら、可能な限り早期に歯科医院を受診することが重要です。
市販の鎮痛剤や冷却などの応急処置は一時的な対症療法に過ぎず、根本的な解決には専門的な治療が必要です。特に発熱や顔面の腫れを伴う場合は、重篤な感染症の可能性があるため緊急受診が必要です。
放置すると感染の拡大や歯の喪失といった深刻な結果を招く可能性があります。日頃からの適切な口腔ケアと定期健診により、このような痛みを予防することができます。歯の健康は全身の健康と密接に関わっているため、些細な症状でも軽視せず、専門医による適切な診断と治療を受けることをお勧めします。