「抜歯」待った!根管治療で大切な歯を残すための最終手段と成功率
千葉で抜歯と言われた歯を残す歯医者、陽光台ファミリー歯科クリニックです。
「先生、この歯はもう抜くしかないと言われました…」

私たちは、この言葉を聞くたびに胸が痛みます。患者さんにとって、生まれ持った大切な歯を失うことは、精神的にも機能的にも大きな負担です。あなたが今、「歯を抜きたくない」「根管治療でなんとか残したい」と強く願っているなら、まだ諦めないでください。
根管治療(歯の神経・根の治療)は、「抜歯を回避するための最終防衛ライン」です。しかし、一般的な根管治療では治癒が難しくなり、結果として抜歯に至ってしまうケースがあるのも事実です。
なぜ、根管治療が失敗し、抜歯が迫るのでしょうか?それは、「根管」と呼ばれる歯の内部の構造が、髪の毛のように細く、複雑に枝分かれしているためです。この複雑な構造の中に残った細菌を完全に除去できなければ、炎症が再発し、歯の寿命は尽きてしまいます。
本記事では、抜歯を避けたいあなたのために、根管治療の成功率を極限まで高めるための「最終手段」を徹底的に解説します。
抜歯を回避するための「最終手段」:精密根管治療とは?
抜歯を回避し、根管治療の成功率を飛躍的に高めるには、従来の「肉眼」や「レントゲン」に頼った治療から脱却し、「精密根管治療」へ移行することが不可欠です。
精密根管治療とは、単に治療器具を変えるだけでなく、「見えないところを見る技術」と「無菌状態を保つ技術」を組み合わせた、歯を残すための最新かつ最高峰の治療法です。
成功率を高める3つの必須ツール
1. マイクロスコープ(歯科用顕微鏡): 肉眼では見えない根管の入り口や、枝分かれした部分を最大20倍以上に拡大して観察できます。これにより、感染源の取り残しを最小限に抑えられます。マイクロスコープについて詳しくはこちらをご覧ください。

2. ラバーダム防湿: 治療する歯以外をゴムのシートで隔離し、唾液に含まれる細菌が根管内に入り込むのを完全に防ぎます。無菌状態の確保こそが、治療成功の最大の鍵です。ラバーダムについて詳しくはこちらをご覧ください。

3. 歯科用CT: 根の先の病巣を3次元的に把握し、通常のレントゲンでは見つけられない隠れた病変や、複雑な根管の構造を事前に正確に把握します。

これらの精密機器を用いることで、再発リスクを大幅に減らし、「この歯は抜くしかない」と言われた難症例でも、歯を残せる可能性が高まります。
根管治療の成功率を高める鍵:再発を防ぐための3つの条件
根管治療は、単に根の中をきれいにして終わるものではありません。治療後、「いかに感染から歯を守り続けるか」が、その歯の寿命を決定します。成功率を維持し、長期的に歯を残すためには、以下の3つの条件が重要です。
条件1:根管治療の「質の高さ」(目に見えない部分)
前述の精密機器による治療はもちろん、感染した部分を徹底的に除去し、緊密に薬を詰める「根管充填」の精度が極めて重要です。経験と知識が豊富な専門医による治療が理想的です。
条件2:治療後の「補綴物」の精度(蓋の部分)
根管治療を終えた歯は、必ず詰め物や被せ物(補綴物)で「蓋」をする必要があります。この蓋と歯の間にわずかな隙間ができると、そこから細菌が侵入し、根管内に再感染を引き起こしてしまいます。適合性の高い、精密な被せ物を選ぶことが、再発予防の生命線です。
被せ物の質による根管治療の成功率の違い

条件3:プロフェッショナルな「予防とメンテナンス」
どんなに完璧な治療をしても、日々の歯磨きや定期的な歯科医院でのクリーニングが不十分であれば、再感染のリスクは高まります。治療後の歯を守り抜くために、歯科医師・歯科衛生士による計画的なメンテナンスが不可欠です。

治療の質、補綴物の質、日頃のケア。この3つが揃って初めて、抜歯を避け、大切な歯を長期的に守ることが可能になります。
もしもの時のために:治療後のメンテナンスと、次のステップ
根管治療の成功は、ゴールではなく、「大切な歯を使い続けるためのスタートライン」です。

根管治療後の長期的な予後を守るために
歯を残すことができたら、定期的なメンテナンスを徹底しましょう。根管治療を受けた歯は、神経がないために痛みを感じにくく、異変に気づきにくい傾向があります。最低でも6ヶ月に一度の定期検診で、被せ物の状態や、根の先の小さな変化を見逃さないことが、長持ちさせる秘訣です。
それでも、やむを得ず抜歯となった場合の選択肢
あらゆる努力を尽くしても、残念ながら歯を残すことが困難な場合もあります。その際は、失った歯の機能を回復するために、次の選択肢を検討します。
インプラント治療: 顎の骨に人工の根を埋め込み、天然歯に近い機能と見た目を回復する方法。
ブリッジ: 両隣の歯を削り、連結した被せ物で欠損部を補う方法。
入れ歯(義歯): 取り外し式の装置で機能を回復する方法。
大切なのは、「なぜ抜歯に至ったのか」を正確に把握し、その後の治療計画を立てることです。歯科医師と十分に話し合い、ご自身に最適な治療法を選択しましょう。

まとめ:「抜歯」を諦めない!精密根管治療で未来を変える
本記事では、「抜歯しかない」と宣告された大切な歯を救うための根管治療について解説しました。
最後に、歯を残すための3つのキーポイントを再確認しましょう。
1. 諦めない姿勢: 抜歯宣告は最終決定ではありません。精密根管治療という選択肢を検討してください。
2. 精密な治療: マイクロスコープ、ラバーダム防湿などの精密機器を用いた治療こそが、再発リスクを最小限に抑える「最終手段」です。
3. 治療後の継続: 治療の質、適合性の高い被せ物、そして定期的なメンテナンスが、歯を長期的に守るための必須条件です。
歯を抜くのは、いつでもできます。しかし、一度抜いてしまった歯は二度と戻りません。
「抜歯したくない」という方は一度当院へご相談ください。
医師紹介

理事長 渡辺 泰平(歯学博士)
資格
PERF-JAPAN講師(根管治療)
PERF-JAPAN認定専門医
MicroPex Hygienic Laboratory講師(歯周病治療)
Karl Kaps Germany 認定講師(マイクロスコープ)
日本・アジア口腔保健支援機構 第二種感染管理者検定講師
日本顎咬合学会 認定医
認定医日本健康医療学会 認定医
日本・アジア口腔保健支援機構 第一種感染管理者
健康医療コーディネーター