根管治療が良くならない7つの原因と対処法
千葉で成功率の高い根管治療なら陽光台ファミリー歯科クリニックへ。
根管治療を受けたのに痛みが続いている、腫れが引かない、違和感が残るといったお悩みを抱えている方は少なくありません。実際に、保険診療で行われる一般的な根管治療の成功率は約40%とされており、残念ながら半数以上の症例で完璧な結果が得られるわけではないのが現実です。
この記事では、根管治療が良くならない原因と、その対処法について詳しく解説します。現在治療中の方、治療を検討中の方にとって有益な情報をお伝えしますので、ぜひ最後までお読みください。
1. 根管治療が良くならない主な7つの原因
原因1:根管の見落としや清掃不足
根管治療が失敗する最も多い原因の一つが、複雑な根管構造の見落としです。歯の根は人によって形状が大きく異なり、教科書通りではない複雑な構造を持つことがあります。
特に奥歯では、通常3-4本の根管があるとされていますが、実際には追加の根管(MB2根管など)が存在することがあります。これらの隠れた根管を見つけられずに治療を終了してしまうと、感染が残り、症状が改善されません。
また、根管内の清掃が不十分な場合も治療失敗の原因となります。根管内には細菌が形成するバイオフィルムという膜状の構造があり、これを完全に除去するには専門的な技術と時間が必要です。
原因2:根管充填の不備
根管の清掃後は、再感染を防ぐために根管内を充填材で密封する必要があります。この充填が不完全だと、根の先端部分に隙間ができ、そこから細菌が再侵入してしまいます。
適切な充填のためには、根管の形成(拡大・清掃)が正確に行われていることが前提条件です。根管の形成が不十分だと、充填材が根の先端まで到達せず、治療効果が期待できません。
原因3:根の破折や穿孔
治療中の器具操作により、歯の根に亀裂が入ったり(根の破折)、根管壁に穴が開いてしまう(穿孔)ことがあります。これらの状況では、いくら根管治療を行っても感染をコントロールすることが困難になります。
特に、過去に根管治療を受けた歯の再治療時には、歯質が薄くなっているため、これらのリスクが高くなります。
原因4:歯根の先端部分の病変
根の先端部分に大きな病変(根尖性歯周炎)がある場合、根管治療だけでは完全な治癒が困難なことがあります。この場合、外科的な処置(歯根端切除術)が必要になることもあります。
原因5:患者さんの全身状態
全身疾患がある場合、治癒力が低下し、根管治療の成功率が下がることがあります。また、喫煙も治癒を阻害する重要な因子です。
原因6:治療期間中の再感染
根管治療は通常数回の通院が必要ですが、治療期間中に仮の詰め物が外れたり、隙間ができると細菌が再侵入し、治療効果が台無しになってしまいます。
原因7:治療技術や設備の限界
根管治療には高度な技術と専門的な設備が必要です。マイクロスコープやCTなどの最新設備がない環境では、複雑な症例での成功率が低下する可能性があります。
2. 症状別:根管治療の失敗サインの見分け方
根管治療が上手くいっていない場合、以下のような症状が現れることがあります。
持続する痛み
治療後2-3日は軽い痛みがあるのは正常ですが、1週間以上経っても激しい痛みが続く場合は、治療が不完全である可能性があります。特に、噛んだ時の痛みが強い場合は要注意です。
腫れや膿の排出
治療後に歯茎が腫れたり、膿が出てくる場合は、感染が残っているサインです。この症状は治療直後ではなく、数週間から数ヶ月後に現れることもあります。
違和感や圧迫感
噛み合わせの違和感や、歯が浮いたような感覚が続く場合も、治療の問題を示している可能性があります。
冷たいものがしみる
根管治療後は通常、冷たいものに対する敏感さはなくなります。治療後もしみる症状が続く場合は、神経の取り残しや他の問題が考えられます。
これらの症状がある場合は、早めに担当医に相談することが重要です。
3. 根管治療をやり直す際の注意点と成功率
根管治療の再治療について
根管治療が失敗した場合、再治療(リトリートメント)を行うことがあります。再治療の成功率は初回治療よりもやや低くなります。
再治療の手順と期間
再治療では、まず既存の充填材を除去し、根管を再度清掃・消毒します。この過程は初回治療よりも複雑で、時間がかかることが多いです。通常、3-6回程度の通院が必要になります。
再治療が困難なケース
以下のような場合は、再治療が困難または不可能なことがあります。
根の破折が確認された場合
根管が極度に湾曲している場合
過去の治療で使用された材料の除去が困難な場合
歯質の残存量が少ない場合
治療期間中の注意事項
再治療期間中は以下の点に注意が必要です。
仮の詰め物を大切に保つ
硬いものを噛まない
処方された薬は指示通りに服用する
定期的な通院を守る
4. 根管治療以外の治療選択肢とメリット・デメリット
根管治療が困難または不可能な場合の治療選択肢について説明します。
歯根端切除術
根管治療では治癒しない根の先端部分の病変に対して行う外科手術です。歯茎を切開し、根の先端部分を直接除去・清掃します。
※治療中の映像が映ります。苦手な方はご注意ください。
⭕️メリット
根管治療では除去できない病変を直接処置できる
天然歯を保存できる
❌デメリット
外科手術のため、腫れや痛みを伴う
すべての歯に適用できるわけではない
費用が高額になることがある
抜歯とインプラント治療
保存が困難な場合は、抜歯してインプラント治療を行います。
⭕️メリット
天然歯に近い噛み心地を回復できる
隣の歯を削る必要がない
長期的な予後が良好
❌デメリット
外科手術が必要
治療期間が長い(3-12ヶ月)
費用が高額
全身疾患によっては適用できない場合がある
ブリッジ治療
隣の歯を支台として人工歯を装着する方法です。
⭕️メリット
治療期間が比較的短い
手術が不要
保険適用が可能
❌デメリット
健康な隣の歯を削る必要がある
支台歯への負担が大きい
清掃が困難
部分入れ歯
取り外し可能な人工歯です。
⭕️メリット
費用が安い
手術が不要
修理や調整が比較的容易
❌デメリット
違和感がある
噛む力が弱い
見た目が劣る場合がある
5. 根管治療を成功させるための歯科医院選びのポイント
根管治療の成功は、担当する歯科医師の技術と設備に大きく左右されます。
専門医資格等の確認
根管治療の専門医や指導医の資格を持つ歯科医師は、根管治療に関する高度な知識と技術を有しています。歯科医院のホームページで確認しましょう。
設備の充実度
以下の設備が整っている歯科医院を選ぶことをお勧めします。
マイクロスコープ
根管内部を拡大して観察できるため、精密な治療が可能になります。
歯科用CT
3次元的に根管の形態を把握でき、見落としを防げます。
ニッケルチタンファイル
柔軟性があり、湾曲した根管でも効率的に清掃できます。
ラバーダム防湿
治療部位を唾液から隔離し、無菌的な環境で治療を行えます。
説明の丁寧さ
治療前に以下の点について詳しく説明してくれる歯科医院を選びましょう。
・治療の必要性と方法
・成功率とリスク
・治療期間と回数
・費用について
・代替治療法
治療時間の確保
根管治療は時間をかけて丁寧に行う必要があります。1回の治療時間が十分に確保されている歯科医院を選ぶことが重要です。
アフターケアの充実
治療後の定期検診やメンテナンスについて、明確な説明とシステムがある歯科医院を選びましょう。
根管治療が良くならない時の適切な対応
根管治療が良くならない原因は多岐にわたりますが、最も重要なのは早期の適切な対応です。症状が続く場合は我慢せず、すぐに歯科医師に相談しましょう。
根管治療の成功のためには、患者さん自身の理解と協力も不可欠です。治療期間中の注意事項を守り、定期的な通院を継続することが重要です。
最後に、根管治療は予防に勝る治療はありません。日頃からの口腔ケアと定期検診により、根管治療が必要な状況を避けることが最も大切です。虫歯の早期発見・早期治療を心がけ、健康な歯を長く保ちましょう。
何かご不明な点や心配なことがございましたら、お気軽に当院へご相談ください。LINEまたははお電話(0438-38-4854)からご予約ができます。
医師紹介
理事長 渡辺 泰平(歯学博士)
資格
PERF-JAPAN講師(根管治療)
MicroPex Hygienic Laboratory講師(歯周病治療)
Karl Kaps Germany 認定講師(マイクロスコープ)
日本・アジア口腔保健支援機構 第二種感染管理者検定講師
日本顎咬合学会 認定医
認定医日本健康医療学会 認定医
日本・アジア口腔保健支援機構 第一種感染管理者
健康医療コーディネーター