千葉で歯の根の治療回数が少ない歯医者、陽光台ファミリー歯科クリニックです。

歯の根の治療、通称「根管治療(こんかんちりょう)」は、虫歯が進行し、歯の内部にある神経や血管が通る管(根管)まで細菌が入り込んでしまった際に行う最終防衛ラインの治療です(下の図でC3の状態)。

虫歯の進行

この治療の最大の目的は、根管内の細菌を徹底的に除去し、無菌化することです。しかし、根管の構造は非常に複雑で、まるで木の根のように細かく枝分かれしています。そのため、一度で全ての細菌を取り除くことはほぼ不可能です。

細かく枝分かれした根管

多くの場合、治療は数回にわたって行われ、治療間隔は約2週間程度空くことが一般的です。

 

「2週間」という治療間隔に隠された科学的な根拠

根管治療では、まず感染した神経や組織を除去し、根管内部をリーマーという器具で清掃します。その後、根管内に強力な消毒薬を入れ、蓋をして次の治療日を待ちます。この消毒薬が、根管内に潜んでいる細菌にも浸透し、効果を発揮するまでに一定の時間が必要なのです。

・消毒薬の作用: 根管内に充填された薬剤が、残存する細菌を殺菌し、無力化する。

・細菌の再増殖: もし間隔が短すぎると、消毒薬の効果が不十分なまま次の処置に進むことになり、逆に間隔を空けすぎると、わずかに残った細菌が再び増殖してしまい、治療が振り出しに戻るリスクが高まります。

「2週間」という期間は、消毒薬の効果を最大限に引き出し、同時に細菌が治療に影響を与えるほど再増殖するのを防ぐ期間です。

根管治療

 

自己判断で治療を中断・間隔を空けすぎた場合のリスク

痛みがなくなると、「治った」と自己判断して通院を中断したり、「忙しいから」と予約を大幅に遅らせたりする方がいらっしゃいます。しかし、これは根管治療において最も避けたい行為です。

根管治療の途中で蓋が取れたり、治療を中断したりすると、根管内に再び口の中の細菌が侵入し、再感染を引き起こします。

・再感染:唾液や食べかすに含まれる細菌が、消毒中の根管内に侵入する。 炎症が再発し、治療開始時よりも悪化することがある。

・治療回数の増加:再感染した場合は、以前の治療を最初からやり直す必要がある。 治療期間がさらに長期化し、費用も時間も余計にかかる。

・抜歯の可能性:再感染を繰り返すと、歯を支える骨が溶けるなど、歯の状態が極度に悪化する。 最終的に歯を残すことが不可能となり、抜歯せざるを得なくなる。

抜歯

根管治療は「痛みを取る治療」ではなく、「歯を残すための土台作り」です。ご自身の判断で間隔を空けたり、中断したりせず、歯科医師が提示した通院スケジュールを厳守することが、歯を守るための唯一の方法です。

 

痛みが消えても通院が必要な理由と治療完了の判断基準

「もう痛くないから、次の予約はキャンセルしても大丈夫だろう」と感じる方も多いでしょう。しかし、根管治療における「無症状」と「完治」は全くの別物です。

痛みがなくても、細菌は残っている
根管治療を始めると、原因となっていた炎症が治まり、比較的早い段階で「痛み」は消えます。これは、神経や感染源を部分的に除去したことによるものですが、目に見えない小さな細菌はまだ根管の奥深くに残存しています。

痛みが消えた段階で治療をやめてしまうと、根管内の細菌はそのまま残り続け、数年後に再び炎症(根尖性歯周炎)として発症することがあります。

治療完了は「無菌化」がゴール
根管治療の最終ゴールは、根管内が完全に無菌化されていることです。

根管治療では、根管内を消毒後最終的な詰め物(根管充填剤)を入れます。この最終的な薬をしっかりと隙間なく充填することで、初めて根管内への細菌の侵入が永久的に防がれ、治療は完了となります。痛みの有無ではなく、専門的な検査によって治療の終わりは決まります。

ガッタパーチャを使った根管充填

 

根管治療の期間を短縮するために患者さまができることと自費診療の選択肢

根管治療は、患者さまにとって負担の大きい治療ですが、治療期間をできる限り短くし、成功率を高めるために、患者さまご自身にもできることがあります。

治療期間を短縮したい方への「自費診療」という選択肢

当院で行っている自費診療の精密根管治療は、保険診療の制約を受けないため、治療期間や回数を大幅に短縮できる可能性があります。

自費診療では、以下のような環境を整えることで、1回の治療の質と密度を極限まで高めます。

マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)の活用: 根管内を最大数十倍に拡大し、肉眼では見えない微細な感染源まで徹底的に除去します。

根管治療中

ラバーダムの使用: 治療中に唾液や細菌が根管内に入るのを完全に防ぎ、無菌的な環境で治療を行います。

ラバーダム

高性能なニッケルチタンファイルや薬剤の使用: 保険外の最新の器具や薬剤を使用し、効率的かつ精密な清掃・消毒を可能にします。

これらの高い技術と設備を用いることで、治療回数を1~3回程度に抑えられる可能性が高まります(保険診療の根管治療では7〜8回が平均です)。「通院回数を減らしたい」「成功率の高い治療を受けたい」という方は、自費診療による精密根管治療をご検討ください。

根管治療は、あなたの歯を失わないための最後の砦です。治療期間のご不安や、通院回数を減らしたいご希望があれば、当院の自費診療の精密根管治療についても、ぜひお気軽にご相談ください。LINEまたははお電話(0438-38-4854)からご予約ができます。

陽光台ファミリー歯科クリニック

 

医師紹介

理事長 渡辺 泰平(歯学博士)

資格

PERF-JAPAN講師(根管治療)

PERF-JAPAN認定専門医

MicroPe​x Hygienic Laboratory講師(歯周病治療)

Karl Kaps Germany 認定講師(マイクロスコープ)

日本・アジア口腔保健支援機構 第二種感染管理者検定講師

日本顎咬合学会 認定医

日本アンチエイジング歯科学会

認定医日本健康医療学会 認定医

日本・アジア口腔保健支援機構 第一種感染管理者

健康医療コーディネーター

陽光台ファミリー歯科クリニック