根管治療中の食事で気をつけるべきこと
マイクロスコープを使った歯内療法処置に関する研究や研修を行う機関『PERF-JAPAN』の講師が精密根管治療を行う千葉の歯医者、陽光台ファミリー歯科クリニックです。
当院のある千葉県木更津市の今日の天気は朝から冷たい雨が降っていて、午後にはみぞれが降っていました。昨日に比べて気温が一気に下がったので体調管理に気をつけたいです😥
さて本日のテーマは根管治療中の食事についてです。根管治療に限らず、歯の治療中は「食べてはいけないものはあるのかな?」「食べ方に気をつけた方がいいのかな?」と気になりませんか?私も虫歯の治療や歯列矯正をしていた際にすごく気になってネットで調べたりもしました。このブログでは、根管治療にフォーカスして治療中のお食事について気をつけていただきたいことを解説していきます。
根管治療中・後の食事が重要な理由
根管治療(いわゆる「神経を取る治療」)は、虫歯が神経まで達してしまった場合や歯の神経が炎症を起こした場合に行われる重要な歯科治療です。この治療では、歯の内部にある感染した歯髄組織(神経や血管)を除去し、その管を専用の材料で密閉します。
治療中や治療後は歯やその周囲の組織が敏感になっており、一時的に痛みや不快感を感じることがあります。この時期の食事の選択は、以下の理由から非常に重要です。
・痛みの管理: 適切な食事選択により、治療部位への刺激を最小限に抑え、痛みを軽減できます。
・治療部位の保護: 治療中の歯は一時的に弱くなっていることが多く、強い力がかかると損傷するリスクがあります。
・回復の促進: 栄養バランスの良い食事は、組織の修復と回復を早める効果があります。
・感染リスクの低減: 清潔で適切な食事は、治療部位への細菌の侵入リスクを減らします。
多くの患者さんが「根管治療後は何を食べればいいの?」「いつから普通の食事に戻せる?」といった疑問を持ちますが、適切な食事管理は治療の成功率を高め、回復期間を短縮する重要な要素なのです。
根管治療中に避けるべき食べ物
根管治療中および治療直後は、以下のような食べ物や飲み物を避けることで、不快感を軽減し、治療部位を保護することができます。
硬い食べ物や粘着性のある食品
・硬いもの: 硬い食品は、薄くなっている治療中の歯に力がかかり、歯が割れてしまう可能性があります。
・キャラメル、グミ、餅: 粘着性のある食品は仮歯を引き抜いたり、治療部位に食べ物が詰まるリスクを高めます。
・生のニンジンやリンゴ: 硬い野菜や果物を丸かじりすることは避けましょう。必要に応じて小さく切るか柔らかく調理してください。
これらの食品を避けることで、治療中の不快感を最小限に抑え、歯を守ることができます。治療の進行状況に応じて、徐々に通常の食事に戻していくことができますが、その時期については担当の歯科医師に相談することをお勧めします。
根管治療の段階別・食事のポイント
麻酔直後の注意点
麻酔の効果が残っている間(治療当日の数時間)
頬や舌の感覚が鈍いため、無意識に噛んでしまう危険があります。
熱いドリンクは温度感覚が鈍っているため、口内を火傷するリスクがあります。
麻酔が切れるまでは、冷たすぎない流動食や柔らかい食事が安全です。
麻酔が効いている側では噛まないよう注意しましょう。
麻酔が切れてからの対応
徐々に痛みを感じ始めることがあるため、不安であれば麻酔が切れる前に鎮痛剤を服用してください。
刺激の少ない常温~温かめの食事が適しています。
仮歯の期間中の食事法
根管治療の途中では、多くの場合「仮歯」と呼ばれる一時的な被せ物が装着されます。最終的に入る被せ物よりも強度の弱い素材でできているので仮歯の期間中の食事は気をつけましょう。
仮歯に負担をかけない食事選択が重要
仮歯は本来の歯より弱いため、硬い食べ物は避けましょう。
粘着性の食品(キャラメル、グミ、ガム、餅など)は仮歯を外してしまう可能性があります。
治療中の歯の反対側で噛むよう心がけると良いでしょう。
仮歯の清潔を保つ
食後は丁寧に歯磨きをし、仮歯の周囲に食べかすが残らないようにしましょう。
仮歯は汚れがつきやすい素材でできているので、丁寧にケアすることで仮歯だけでなくお口の中全体を清潔に保つことができます。
治療完了後の食事の戻し方
根管治療が完全に終了し、最終的な詰め物や被せ物が装着されたら…
最初の24~48時間
まだ周囲の組織が敏感な状態のため、柔らかい食事を中心に摂ります。
徐々に通常の固さの食品を試してみて、不快感がなければ食べても構いません。
1週間程度経過後
違和感や痛みがなければ、ほとんどの食品を食べられるようになります。
定期的なフォローアップ
治療後の定期検診を必ず受けて、治療部位の状態を確認してもらいましょう。
何か違和感があれば、早めに歯科医師に相談することが大切です。
根管治療中の食事についてよくある質問
いつから普通の食事に戻せますか?
・麻酔が効いている間は感覚がないので注意が必要です。
・仮歯の期間中は硬い食べ物や粘着性の食品を避けましょう。
・最終的な詰め物や被せ物が装着されてから48時間程度経過すれば、徐々に通常の食事に戻せることが多いです。
仮歯が外れてしまったら食事はどうすれば?
・すぐに歯科医院に連絡しましょう。
・それまでの間は、治療中の歯に食べ物が直接触れないよう注意が必要です。
・柔らかい食品を小さく切り、治療中の歯の反対側で噛むようにしましょう。
・仮歯が外れた状態を長く放置すると、治療部位が汚染されたり、歯の位置がずれたりするリスクがあります。できるだけ早く歯科医院へ連絡しましょう。
根管治療中・後の適切な食事管理は、歯を守るために重要です。治療段階に応じた食事の選択が、痛みの軽減と治療部位の保護に役立ちます。
治療中は硬い食べ物、粘着性のある食品、極端な温度の食事、刺激物を避け、やわらかく噛みやすい食品を中心に摂りましょう。特に麻酔直後は感覚が鈍っているため注意が必要です。仮歯の期間中も無理な咀嚼は避け、治療完了後も段階的に通常の食事に戻すことが大切です。
根管治療は歯の寿命を延ばす重要な治療です。適切な食事管理と定期的なデンタルケアを続けることで、健康な口腔環境を維持していきましょう!