根管治療の成功を左右する材料選択のポイント
千葉でMTAセメントやバイオセラミックを使用した成功率の高い根管治療をしている歯医者、陽光台ファミリー歯科クリニックです。
根管治療は、虫歯が進行して歯の神経まで達した場合や、歯の根の先に膿が溜まった場合に行う治療法です。この治療の成功は、使用する材料の選択に大きく左右されます。
根管治療で使用される材料は、主に「根管充填材料」と「根管治療用薬剤」の2つに分類されます。根管充填材料は、細菌に感染した神経を除去した後の空洞を密封する役割を果たし、根管治療用薬剤は治療過程で細菌の除去や炎症の抑制を目的として使用されます。
適切な材料選択は、治療後の再感染を防ぎ、歯の長期的な保存につながります。現在の歯科医療では、患者さんの症状や歯の状態、アレルギーの有無などを総合的に判断して最適な材料を選択することが重要視されています。
根管充填材料の種類と特徴
根管充填材料には、それぞれ異なる特性を持つ複数の種類があります。ここでは主要な材料について詳しく解説します。
ガッタパーチャ（GP）
最も広く使用されている根管充填材料で、ゴムの木から採取される天然樹脂です。
MTAセメント（Mineral Trioxide Aggregate）
近年注目されている材料で、優れた封鎖性と生体適合性を持ちます。湿潤環境でも硬化し、根管内の微小な隙間まで確実に封鎖できます。
バイオセラミック系材料
最新の根管充填材料として注目されており、優れた封鎖性と抗菌性を併せ持ちます。細菌の増殖を抑制し、長期的な予後の改善が期待されています。
根管治療用薬剤の役割と選択
根管治療用薬剤は、治療の各段階で重要な役割を果たします。適切な薬剤選択により、治療期間の短縮と成功率の向上が可能になります。
根管洗浄剤
次亜塩素酸ナトリウムが最も一般的に使用されます。強力な殺菌作用と有機質溶解作用により、根管内の細菌や感染組織を効果的に除去します。
根管貼薬剤
水酸化カルシウム系薬剤が主流で、アルカリ性による殺菌効果と消炎効果を持ちます。根管内を無菌状態に近づけ、根尖周囲の炎症を鎮静化させる効果があります。近年では、より即効性のある抗菌薬配合の貼薬剤も使用されています。
根管シーラー
根管充填材料と根管壁の間隙を封鎖する役割を持ちます。エポキシレジン系、亜鉛系、シリコーン系など様々な種類があり、それぞれ硬化時間や封鎖性に違いがあります。
最新材料と従来材料の比較
根管治療材料の進歩により、治療成績は大幅に向上しています。最新材料と従来材料の違いを理解することで、より良い治療選択が可能になります。
封鎖性の向上
従来のガッタパーチャとシーラーの組み合わせに対し、最新のバイオセラミック系材料は微小漏洩を大幅に減少させました。これにより、根管治療後の再感染リスクが大幅に低下しています。
生体適合性の改善
新しい材料は生体に対する刺激が少なく、アレルギー反応のリスクも低減されています。特にMTAセメントやバイオセラミック系材料は、根尖周囲組織の治癒促進効果も報告されています。
治療時間の短縮
一部の最新材料では、従来の複数回通院が必要だった治療を1回で完了できる場合があります。これにより患者さんの負担軽減につながっています。
ただし、MTAセメントやバイオセラミックは保険診療適応外となります。また、術者の技術習得期間が必要な場合もあります。
患者さんが知っておくべき材料選択のポイント
根管治療を受ける患者さんが材料選択について知っておくべき重要なポイントをお伝えします。
アレルギーの有無の確認
治療前に金属アレルギーや薬物アレルギーの有無を必ず歯科医師に伝えてください。特に、過去に歯科治療でアレルギー反応を起こした経験がある場合は詳細な情報が必要です。
費用対効果の検討
保険適用材料と自費診療材料では費用が大きく異なります。長期的な予後を考慮し、歯科医師と十分に相談して決定することが大切です。
術後の経過観察
どの材料を使用しても、定期的な検診は必要です。材料の特性を理解し、適切なメンテナンスを行うことで、治療効果を長期間維持できます。
根管治療の成功は、適切な材料選択にかかっています。ガッタパーチャなどの従来材料から、MTAセメントやバイオセラミック系材料などの最新材料まで、それぞれに特徴とメリット・デメリットがあります。
患者さんにとって最適な材料選択は、症状の程度、アレルギーの有無、治療期間の希望、費用などを総合的に考慮して決定されます。重要なのは、歯科医師と十分にコミュニケーションを取り、自分の状況に最も適した治療法を選択することです。
根管治療は一度行えば終わりではなく、定期的な検診とメンテナンスが治療効果の維持に不可欠です。適切な材料選択と継続的なケアにより、自分の歯を長期間保存することが可能になります。歯科医師の説明をよく聞き、疑問点は遠慮なく質問して、納得のいく治療を受けることが大切です。
当院では、MTAセメントやバイオセラミックを使用した成功率の高い根管治療を自費診療にて行っています。根管治療でお困りの方は一度当院へご相談ください。
医師紹介
理事長 渡辺 泰平(歯学博士)
資格
PERF-JAPAN講師（根管治療）
MicroPex Hygienic Laboratory講師（歯周病治療）
Karl Kaps Germany 認定講師(マイクロスコープ)
日本・アジア口腔保健支援機構 第二種感染管理者検定講師
日本顎咬合学会 認定医
認定医日本健康医療学会 認定医
日本・アジア口腔保健支援機構 第一種感染管理者
健康医療コーディネーター