千葉でラバーダムやバイオセラミック(MTA)を使用した世界基準の根管治療を行っている陽光台ファミリー歯科クリニックです。

根管治療は、歯の神経が感染や炎症を起こした際に行われる重要な治療法です。この治療において、薬剤の選択と使用方法は治療成功の命運を握る極めて重要な要素となります。
根管内には複雑な解剖学的構造があり、機械的清掃だけでは完全に細菌を除去することは困難です。

細かく枝分かれした根管

そこで化学的清掃として薬剤を使用することで、残存する細菌の除去と根管内の消毒を行います。適切な薬剤選択により、治療成功率は大幅に向上し、再発リスクを最小限に抑えることができるのです。

現代の根管治療では、患者さん一人ひとりの症状や感染状態に応じて最適な薬剤を選択し、科学的根拠に基づいた治療を実施しています。薬剤の効果を最大限に発揮させるためには、正確な診断と適切な使用法が不可欠です。

 

根管治療で使用される主な薬剤の種類

根管治療で使用される薬剤は、その目的に応じて大きく4つのカテゴリーに分類されます。

消毒薬として最も使用頻度が高いのは次亜塩素酸ナトリウム溶液です。強力な殺菌作用を持ち、有機物を溶解する能力があるため、根管内の細菌除去と組織残渣の除去を同時に行えます。

EDTA(エチレンジアミン四酢酸)は、根管壁の象牙質を軟化させます。

これにより根管充填材との密着性を向上させ、長期的な治療成功に貢献します。

水酸化カルシウム製剤は、強アルカリ性により細菌の増殖を抑制し、根尖部の炎症を鎮静化させる効果があります。特に根尖性歯周炎の治療において重要な役割を果たします。

抗生物質は、特定の細菌に対して選択的に作用するため、感染が重篤な場合や全身的な影響が懸念される症例で使用されます。ペニシリン系やセファロスポリン系が一般的に選択されます。

 

薬剤使用時の注意点とリスク管理

根管治療薬剤の使用には、いくつかの重要な注意点があります。

薬剤の濃度管理は治療効果と安全性の両面で極めて重要です。高濃度の次亜塩素酸ナトリウムは強力な殺菌効果を示しますが、周囲組織への刺激も強くなります。適切な濃度設定により、効果を保ちながら副作用を最小限に抑えることができます。
根管外への薬剤漏出は重篤な合併症を引き起こす可能性があります。特に次亜塩素酸ナトリウムが漏出すると、激しい疼痛や組織壊死を生じる場合があります。ラバーダム防湿を確実に行い、適切な圧力で薬剤を注入することが重要です。ラバーダム防湿について詳しくはこちらをご覧ください。

アレルギー反応のリスクも常に念頭に置く必要があります。初回使用前には必ずアレルギー歴を確認し、必要に応じてパッチテストを実施します。治療中に異常を感じた場合は、直ちに薬剤使用を中止し、適切な対処を行います。

薬剤の相互作用にも注意が必要です。複数の薬剤を併用する場合は、それぞれの化学的性質を理解し、相互作用による効果の減弱や予期しない反応を避けるよう配慮します。

これらのリスクを適切に管理することで、安全で効果的な根管治療を提供することができます。

 

根管治療で詰める薬「MTA」とは?

根管治療の分野では、新しい薬剤や治療法の研究が活発に行われています。

バイオセラミック材料は、近年注目されている新しいカテゴリーの材料です。優れた生体親和性と封鎖性を持ち、従来の材料では困難だった症例での治療成功率向上が期待されています。特にMTA(Mineral Trioxide Aggregate)は、根っこの先が大きく開いた症例や歯に穴が開いてしまっている症例(パーフォレーション)において優れた成績を示しています。

PROROOT MTAセメント バイオセラミックセメント Well-PulpST

再生療法の分野では、薬剤を用いて歯髄組織の再生を促進する研究が進んでいます。将来的には、感染した歯髄を完全に除去するのではなく、薬剤により再生させる治療法が実現する可能性があります。

これらの技術革新により、根管治療の成功率はさらに向上し、患者さんにとってより負担の少ない治療が提供できるようになることが期待されます。

 

根管治療における薬剤は、治療成功の鍵を握る重要な要素です。次亜塩素酸ナトリウム、EDTA、水酸化カルシウム、抗生物質など、それぞれ異なる作用機序を持つ薬剤を症例に応じて適切に選択することで、高い治療効果を得ることができます。
薬剤選択は患者さんの症状、感染状態、全身状態を総合的に評価して行われ、濃度管理や根管外漏出の防止など、安全性への配慮も欠かせません。現在も新しい材料や治療法の研究が進んでおり、バイオセラミック材料などの応用により、さらなる治療成績の向上が期待されています。
根管治療を受ける際は、これらの薬剤の重要性を理解し、歯科医師と十分にコミュニケーションを取りながら治療を進めることが大切です。適切な薬剤選択と使用により、あなたの大切な歯を長期間保存することが可能になります。

精密根管治療

当院では、ラバーダムやバイオセラミック(MTA)を使用した世界基準の根管治療を行っています。根管治療でお悩みの方は一度当院へご相談ください。LINEまたははお電話(0438-38-4854)からご予約ができます。

 

医師紹介

理事長 渡辺 泰平(歯学博士)

資格

PERF-JAPAN講師(根管治療)

MicroPe​x Hygienic Laboratory講師(歯周病治療)

Karl Kaps Germany 認定講師(マイクロスコープ)

日本・アジア口腔保健支援機構 第二種感染管理者検定講師

日本顎咬合学会 認定医

日本アンチエイジング歯科学会

認定医日本健康医療学会 認定医

日本・アジア口腔保健支援機構 第一種感染管理者

健康医療コーディネーター

陽光台ファミリー歯科クリニック