千葉で根管治療が得意な歯医者、陽光台ファミリー歯科クリニックです。

通常、知覚過敏(象牙質知覚過敏症)の痛みは「冷たいものを食べたときにキーンと一時的にしみる」といった一瞬の刺激であることが一般的です。しかし、症状が進行したり特定の条件が重なると、「ズキズキとした持続的な痛み」として感じられることがあります。

歯が痛い

多くの方が「ズキズキ痛む=虫歯」と考えがちですが、知覚過敏でも歯の神経(歯髄)が過敏に炎症を起こしかけている(一過性の歯髄炎)状態になると、脈打つような重い痛みが生じることがあります。

知覚過敏と虫歯の主な違いは以下の通りです。

知覚過敏の傾向
痛みの持続時間:刺激(冷たいもの・風など)が去ると治まることが多い(※重症化するとズキズキが続く)
痛むタイミング:冷たいもの、熱いもの、ブラッシング時、甘いもの
痛む場所:どこが痛いか分かりにくい場合がある
見た目の変化:歯ぐきが下がっている、歯の根元が削れている

虫歯の傾向
痛みの持続時間:刺激がなくても何もしない状態でずっとズキズキ痛む(自発痛)
痛むタイミング:温かいもので激痛、夜間横になったときに強く痛む
痛む場所:痛む歯が特定できることが多い
見た目の変化:歯が黒ずんでいる、穴があいている、詰め物が取れている

もし「温かいものが激しくしみる」「夜寝るときにズキズキ痛んで眠れない」「何もしなくても痛みが続く」という場合は、知覚過敏の範囲を超えて虫歯が神経まで達している可能性が高いです。放置せず早めに歯科医院を受診してください。

なぜズキズキ痛むのか?知覚過敏が発生・悪化する主な原因

歯の表面は「エナメル質」という体の中で最も固い組織で覆われています。しかし、何らかの理由でエナメル質が削れたり歯ぐきが下がったりすると、内側にある「象牙質(ぞうげしつ)」が露出します。象牙質には「象牙細管(ぞうげさいかん)」という無数の微細な管が通っており、これが歯の神経(歯髄)へとつながっています。

歯の構造

露出した象牙質に冷たさ、熱さ、擦過刺激、乾燥などの外的な刺激が加わることで、刺激がダイレクトに神経へ伝わり「ズキズキ」「キーン」とした痛みを引き起こします。

象牙質が露出する主な原因には、以下の5つが挙げられます。

1. 強い力での歯磨き(オーバーブラッシング)
固い歯ブラシを使ったり、腕の力でゴシゴシ強く磨きすぎると、エナメル質や歯ぐきが削れて象牙質が露出します。

2. 歯茎の下がり(歯周病や加齢)
歯周病の進行や加齢によって歯ぐきが下がると、エナメル質で覆われていない「歯の根元(歯根部)」が露出します。歯の根元の象牙質は非常に刺激を受けやすい部位です。

歯肉退縮

3. 歯ぎしり・食いしばり
寝ている間の歯ぎしりや日中の食いしばりによって歯に強大な力がかかると、歯のエナメル質がミクロ単位で崩落したり、歯の根元に細かな亀裂(マイクロクラック)が入って痛みの原因となります。

顕微鏡でみたマイクロクラック

4. 酸性の食べ物・飲み物の過剰摂取(酸蝕歯)
かんきつ類、酢、炭酸飲料、ワインなどの酸性が強い食べ物を日常的に多く摂取していると、エナメル質が化学的に溶け出し、象牙質がむき出しになります。

5. ホワイトニングや歯科治療後の一次的症状
ホワイトニング剤の薬剤刺激や、歯石除去(スケーリング)によって歯根の汚れが取れた直後は、一時的に知覚過敏の症状が強まり、ズキズキ感じられることがあります。

ホワイトニング

自宅でできる!知覚過敏のズキズキした痛みを和らげる応急処置

「夜間で歯医者が開いていない」「すぐに受診できない」という場合に、自宅で痛みを一時的に和らげるための応急処置法をご紹介します。

1. 市販の鎮痛剤(痛み止め)を服用する

ズキズキとした激しい痛みがある場合は、無理をせずロキソニンSやイブなどの市販の鎮痛剤を服用してください。痛みの原因自体を取り除くものではありませんが、神経の炎症による痛みを一時的に抑えることができます。

2. 刺激物の摂取を避ける

冷たい飲み物やアイス、熱いスープ、甘いもの、酸っぱいものは痛みを著しく増幅させます。水を発熱時や痛むときに飲む際は、ぬるま湯(人肌程度の温度)にするよう心掛けてください。

3. 知覚過敏用の歯磨き粉を使用する

知覚過敏専用の歯磨き粉(例:シュミテクトなど)を使用します。硝酸カリウムは神経の伝達をブロックし、痛みの伝達を抑える効果があります。即効性はありませんが、数日から数週間使い続けることでズキズキ感が軽減していきます。

4. 患部を外側から冷やす(※冷やしすぎに注意)

頬の外側から濡れタオルなどを優しく当てて冷やすことで、炎症による血流の増加を抑え、痛みを和らげることができます。ただし、氷を直接口に含んだり、冷たすぎるアイスノンなどを直接当てると、かえって刺激となり痛みが悪化するため絶対に避けてください。

5. 患部のブラッシングを優しく行う

痛いからといって歯磨きをやめてしまうと、プラーク(歯垢)が溜まり、細菌が排出する酸によってさらに知覚過敏が悪化します。柔らかめの歯ブラシを選び、力を入れずに優しく汚れを落としましょう。

歯科医院で行う知覚過敏の専門的な治療法と費用の目安

自宅での応急処置は一時的なものです。ズキズキとした痛みが続く場合は、必ず歯科医院で適切な治療を受けてください。一般的な歯科医院で行われる知覚過敏の治療法は以下の通りです。

1. 薬の塗布(コーティング剤・知覚過敏抑制剤)

露出した象牙細管を塞ぐための薬剤(フッ素やレジン系のコーティング材など)を歯の表面に塗布します。最も身体的負担が少なく、短時間で行える治療法です。

保険適用:可能(3割負担で数千円程度 ※再初診料や検査料含む)

2. レジン(樹脂)による充填治療

歯の根元が大きく削れてしまっている場合、プラスチック状の歯科用レジンを充填して露出面を物理的にカバーします。

保険適用:可能(1本あたり1,000〜2,000円程度)

3. マウスピース(ナイトガード)の製作

歯ぎしりや食いしばりが原因で歯が削れたり痛んでいる場合、就寝時に装着する専用のマウスピースを作成して歯にかかる負担を軽減します。

保険適用:可能(3割負担で3,000〜5,000円程度)

4. レーザー治療

特定のレーザーを露出した象牙質に照射し、象牙細管を封鎖して神経の過敏状態を抑えます。

保険適用:自費診療(自由診療)となる場合が多い

Er:YAGレーザー

もう痛みに悩まない!知覚過敏を予防する日常ケアと生活習慣

治療によって痛みが治まった後も、以前と同じ生活を続けていては知覚過敏が再発してしまいます。日頃から以下の予防ケアを意識しましょう。

正しい歯磨き圧をマスターする
歯ブラシは pencil grip(ペン持ち)で持ち、毛先が軽くしなる程度の力加減(150〜200g程度)で細かく動かします。電動歯ブラシを使用する場合も強く押し当てないよう注意してください。

歯ブラシの毛の固さを「普通」〜「柔らかめ」にする
固い毛の歯ブラシは研磨力が強すぎるため、エナメル質や歯茎を傷つけるリスクが高まります。

知覚過敏予防成分・フッ素配合の歯磨き粉を使う
日常的にフッ素濃度の高い(1450ppm程度)歯磨き粉を使用することで、再石灰化を促し、エナメル質を強化できます。

食習慣の見直しとダラダラ食いの防止
酸性の強い飲み物や食べ物を口にした後は、すぐに水やお茶で口をすすぐ習慣をつけましょう。また、お口の中が酸性になりやすい「ダラダラ食い」を避けることも大切です。

定期的な歯科検診とクリーニング
3ヶ月〜6ヶ月に1回は歯科医院で検診を受け、歯周病のチェックやPMTC(プロによる歯のクリーニング)、フッ素塗布を行うことで、知覚過敏だけでなく虫歯や歯周病の早期発見・予防につながります。

歯科検診

まとめ

「歯がズキズキ痛む」という症状は、単なる知覚過敏の初期段階ではなく、象牙質の露出が進行して神経が過敏になっているサインや、重度の虫歯・歯周病の可能性を示しています。

知覚過敏は適切なブラッシングや専用の歯磨き粉、歯科医院での薬剤塗布やマウスピース作成によって十分に改善・予防が可能な症状です。しかし、「たかが知覚過敏」と放置してしまうと、最悪の場合、神経を取り除く治療が必要になるケースもあります。

ズキズキとした痛みが現れたら、まずは市販の鎮痛剤やぬるま湯でのうがいなどの応急処置を行い、できるだけ早くお近くの歯科医院を受診してください。早期に原因を特定し、専門的なアプローチを行うことが、大切な自分の歯を長く健康に保つための秘訣です。

陽光台ファミリー歯科クリニック