歯の神経を残す治療は痛い?治療中・治療後の痛みの原因と、神経を守るメリット
「虫歯が深いので、神経を取る必要がありますね」
そう告げられた時、多くの方が絶望的な気持ちになります。

しかし、諦めるのはまだ早いです。近年、歯科医療は飛躍的に進化し、以前なら「抜髄(ばつい:神経を取る処置)」と診断されていたケースでも、神経を残せる可能性が高まっています。
本記事では、神経を残す最新治療「VPT」に伴う「痛み」の正体と、なぜ当院がこの治療に情熱を注いでいるのかを詳しく解説します。
1. なぜ「歯の神経を残すこと」が歯の寿命を左右するのか?
多くの患者様は、「痛みさえ消えれば、神経を取っても同じではないか」と考えがちです。しかし、歯科医師の視点から見ると、神経を取ることは「歯の死」へのカウントダウンが始まることを意味します。
神経(歯髄)が果たす3つの役割
栄養の供給: 神経の周りには毛細血管が張り巡らされています。ここから酸素や栄養が運ばれることで、歯はしなやかさを保ちます。神経を失った歯は「枯れ木」のように脆くなり、噛む力に耐えきれず真っ二つに割れてしまう(歯冠破折)リスクが激増します。

防御反応: 虫歯菌が侵入してきたとき、神経は「二次象牙質」という新しい壁を作って対抗します。また、痛みという「アラート」を出すことで、異常を知らせてくれます。
神経を失った歯(失活歯)は、将来的に抜歯になる確率が、神経がある歯に比べて数倍も高いというデータもあります。だからこそ、当院では1%でも可能性がある限り、神経を残す道を探ります。
2. 治療中の痛みへの対策:微痛治療へのこだわり
「神経の近くを触るなら、治療中に激痛が走るのではないか」という不安は、多くの方が抱くものです。しかし、精密な診断と適切な麻酔技術があれば、治療中に痛みを感じることはほとんどありません。
当院の低侵襲なアプローチ
精密な麻酔システム: 針を刺す前の表面麻酔はもちろん、超極細の針と電動麻酔器を使用し、注入速度をコンピュータ制御することで、麻酔時のチクッとした痛みすら最小限に抑えます。

マイクロスコープによる超精密除去: 歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)で視野を最大20倍以上に拡大します。肉眼では見えない「虫歯と健康な組織の境界線」を峻別し、神経を傷つけないよう慎重に削る量をコントロールします。

ラバーダム防湿の徹底: 口腔内は細菌だらけです。神経を残す治療において、細菌を含んだ唾液が1滴でも神経に触れれば、成功率は著しく低下します。当院ではゴムのシート(ラバーダム)を使用し、術野を完全に隔離して清潔な環境を保ちます。

3. 治療後の痛み:なぜ「一時的に」痛むことがあるのか?
治療後、麻酔が切れた後に「ズキズキする」「冷たいものがしみる」という症状が出ることがあります。これは神経がダメージから回復しようと懸命に闘っている証拠です。
痛みが起こるメカニズム
神経のすぐ近くまで虫歯を削った場合、外からの温度刺激や振動が神経に伝わりやすくなります。例えるなら、火傷をした後の皮膚がヒリヒリする状態に似ています。この痛みは通常、数日から数週間かけて徐々に落ち着いていきます。
「痛みが残ったから失敗だ」と早急に判断して神経を取ってしまうのは、非常にもったいないことです。当院では、経過観察中のフォローアップもしっかりと行い、患者様と一緒に「神経の回復」を見守ります。
4. 最新の歯髄温存療法「VPT」とMTAセメントの力
当院が導入している最新の神経温存療法がVPT(Vital Pulp Therapy)です。VPTの症例はこちらをご覧ください。
これまでの治療と何が違うのか、その鍵は「MTAセメント」という新素材にあります。

MTAセメント
MTAセメントは、以下の驚異的な特性を持っています。
強い殺菌力: 強アルカリ性により、微細な細菌も死滅させます。
高い密閉性: 固まるときにわずかに膨張するため、細菌の再侵入を完璧にブロックします。
生体親和性: 神経と直接触れても害がなく、むしろ神経に「新しい壁」を作るよう促す作用があります。
このVPTにより、一昔前なら「100%神経を取る」と言われていたケースでも、高い成功率で神経を救えるようになりました。
5. それでも痛みが引かない場合の判断基準
残念ながら、全てのケースで神経を救えるわけではありません。治療後、以下のような症状が続く場合は、神経の炎症が限界に達しているサインです。
拍動性の痛み: 心臓の鼓動に合わせてズキズキと激しく痛む。
温熱痛: 温かいものを口に含むと激痛が走り、冷やすと落ち着く。
夜間痛: 寝ている時に痛みが強まり、眠れない。
これらの症状が出た場合は、無理に残すと根の先に膿が溜まり(根尖性歯周炎)、周囲の骨を溶かしてしまうため、精密な根管治療へと移行します。しかし、「まずは残すための最善を尽くした」というプロセスこそが、納得感のある治療に繋がると考えています。

まとめ:あなたの歯の未来を諦めないために
「痛み」は体が発している SOS ですが、それは必ずしも「神経の終わり」を意味するものではありません。
・神経を残すことで、歯の寿命を劇的に延ばせる
・最新のVPT(MTAセメント)なら、深い虫歯でも残せる可能性がある
・治療中・治療後の痛みには、適切な対処法がある
神経を残したい、という切実な想いにお応えします
他院で「神経を取るしかない」と言われた方も、ぜひ一度当院へご相談ください。当院ではマイクロスコープ完備・MTAセメント対応・ラバーダム防湿徹底という、神経を残すための三種の神器を揃え、1本1本の歯に真剣に向き合っています。
「とりあえず削って詰める」治療ではなく、「10年、20年先を見据えた治療」を。痛みに配慮した、あなたの大切な神経を守るためのベストな提案をさせていただきます。
「自分の歯で一生美味しく食べたい」
その願いを、私たちと一緒に叶えましょう。まずはカウンセリングから、お気軽にご予約ください。

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医師紹介

理事長 渡辺 泰平(歯学博士)
資格
PERF-JAPAN講師(根管治療)
PERF-JAPAN認定専門医
MicroPex Hygienic Laboratory講師(歯周病治療)
Karl Kaps Germany 認定講師(マイクロスコープ)
日本・アジア口腔保健支援機構 第二種感染管理者検定講師
日本顎咬合学会 認定医
認定医日本健康医療学会 認定医
日本・アジア口腔保健支援機構 第一種感染管理者
健康医療コーディネーター