根管治療後の「あれ?」を見逃さないで!5つの失敗症状と対処法
こんにちは!千葉の根管治療スペシャリストの歯医者 陽光台ファミリー歯科クリニック 理事長 渡辺です。
今日は、根管治療後の「あれ?なんか変だな」というサイン、つまり「失敗症状」についてお話します。
ここでいう「失敗」とは、治療自体が良くなかったということではなく、治療後に治癒が見られない状態を指します。
根管治療は、どんなに精密に行っても、100%成功するとは限りません。だからこそ、治療後の変化にいち早く気づき、適切な対処をすることが大切なのです。
根管治療後の主な症状は以下の5つです。
- 痛み
- 腫れ
- 膿が出る
- 歯茎にできものができる
- 違和感がある
それぞれの症状について、詳しく見ていきましょう。
1. 痛み:あなたのSOSサインを見逃さないで!
痛みは、体が発する重要なSOSサインです。根管治療後の痛みには、いくつかの種類があり、それぞれ緊急度が異なります。
- 何もしなくても痛い(自発痛):
- これは、体からの「今すぐ助けて!」というサインです。
- 緊急性が高く、すぐに歯科医院に連絡が必要です。
- 根管治療の失敗、歯のひび割れ、重度の感染などが原因として考えられます。
- 夜も眠れないほどの激痛を感じることもあります。
- 噛むと痛い(咬合痛):
- 根管の先に炎症が残っている可能性があります。
- 放置すると、炎症が広がり、激しい痛みに変わることがあります。
- 治療後2~3日の場合は様子を見ても良いですが、痛みが続く場合は歯科医を受診しましょう。
- 歯根破折や重度の歯周病が原因の場合もあります。
- 歯茎を押すと痛い(圧痛):
- 歯茎の内部に膿が溜まっている可能性があります。
- 膿が溜まり続けると、激しい痛みを引き起こすことがあります。
- 早めに歯科医院を受診し、適切な処置を受けましょう。
- なんとなく痛い(鈍痛):
- 緊急度は低いですが、放置すると症状が悪化することがあります。
- レントゲンなどで原因を確認し、必要に応じて治療を受けましょう。
2. 腫れ:体の異変を知らせるサイン
腫れも、痛みと同様に、体からのSOSサインです。
- 顔が明らかに腫れている:
- これは、重篤な感染症の兆候です。
- 緊急性が高く、すぐに歯科医院を受診してください。
- 放置すると、呼吸困難や敗血症など、命に関わる事態になることもあります。
- 歯茎のみが腫れている:
- 緊急度は低いですが、放置すると膿が溜まり、痛みを引き起こすことがあります。
- 自己判断で市販の抗生物質を服用するのは避け、歯科医の指示に従いましょう。
3. 膿が出る:体の防御反応
膿は、体と細菌が戦った証です。
- 膿が出ている場合は、感染が続いていることを示します。
- 1~2週間以内に歯科医院を受診し、原因を取り除きましょう。
- 放置すると、感染が広がり、周囲の骨を溶かすことがあります。
4. 歯茎にできものができる(サイナストラクト・フィステル)
- できものは、根管の先に膿が溜まっているサインです。
- 緊急度は低いですが、放置すると膿が溜まり続け、痛みを引き起こすことがあります。
- 歯科医院を受診し、原因となっている根管の治療を受けましょう。
5. 違和感がある:見逃しがちなサイン
違和感は、言葉で表現しにくいサインですが、見逃してはいけません。
- 歯が浮いたような違和感は、根管の先に炎症がある可能性があります。
- 噛み合わせの違和感は、根管治療後の被せ物の高さが合っていない可能性があります。
- 違和感が続く場合は、歯科医院を受診して相談しましょう。
根管治療後の「あれ?」と思ったら
根管治療後の「あれ?」は、体からの大切なメッセージです。自己判断せず、早めに歯科医師に相談しましょう。早期発見・早期治療が、大切な歯を守るために最も重要です。
陽光台ファミリー歯科クリニックでは、根管治療後のアフターケアにも力を入れています。どんな些細なことでも、お気軽にご相談ください。
根管治療に関する情報
このブログでは、他にも根管治療に関するさまざまな情報を発信しています。ぜひ、他の記事も参考にしてみてください。
医師紹介
理事長 渡辺 泰平(歯学博士)
資格
PERF-JAPAN講師(根管治療)
MicroPex Hygienic Laboratory講師(歯周病治療)
Karl Kaps Germany 認定講師(マイクロスコープ)
日本・アジア口腔保健支援機構 第二種感染管理者検定講師
日本顎咬合学会 認定医
認定医日本健康医療学会 認定医
日本・アジア口腔保健支援機構 第一種感染管理者
健康医療コーディネーター