歯の神経を抜いたのになぜ激痛?痛みの正体と、今すぐできる対処法
千葉で歯の神経の治療が得意な歯医者、陽光台ファミリー歯科クリニックです。
「歯の神経を取る治療(根管治療)をしたのだから、もう痛みを感じるはずがない」――そう考えていた矢先に、ズキズキとした激しい痛みに襲われると、誰しもがパニックに近い不安を覚えるものです。「治療に失敗したのではないか?」「このまま歯を抜くことになるのでは?」と、一人で悩んでしまう方も少なくありません。

しかし、まずお伝えしたいのは、「神経を抜いた後の痛みは決して珍しいことではない」ということです。
実は、「歯の神経」と言われる組織(歯髄)を取り除いたとしても、その歯を支えている周囲の組織――具体的には「歯根膜(しこんまく)」や「歯槽骨(しそうこつ)」――には、依然として生きた神経が通っています。

根管治療とは、いわば歯の内側の「外科手術」です。手術の後に傷口がうずくのと同様に、歯の根の先でも一時的な炎症反応が起こります。
本記事では、なぜ神経がないはずの場所がこれほどまでに痛むのか、自宅でできる限界ギリギリの応急処置、そして歯科医院を受診すべき「危険なサイン」まで徹底的に解説します。
激痛が起こる4つの主な原因:なぜ「無神経」な歯が痛むのか
神経を取り除いた後の痛みには、明確な理由がいくつか存在します。痛みの性質(ズキズキする、噛むと響く、拍動している等)によって、原因を推測することが可能です。
① 根尖(こんせん)歯周組織の急性炎症
根管治療では、細い針金のような器具(ファイル)を使って、根の中の細菌や汚染された組織を掻き出します。この際、器具の先端がどうしても根の先(根尖)にある生体組織にわずかに触れたり、押し出された洗浄液や削りカスが刺激になったりすることがあります。

これは、いわば「歯の根の先の打撲」のような状態です。組織がダメージを受ければ、そこを修復するために血液が集まり、炎症が起こります。この炎症が神経を圧迫し、激しい痛みを生じさせるのです。
② 閉鎖による内圧の上昇(ガスと膿の蓄積)
根の中に強い感染があった場合、細菌がガスを発生させることがあります。治療によって歯を密閉(仮蓋)すると、逃げ場を失ったガスや膿が根の先を圧迫し、内圧が急上昇します。
例えるなら、「パンパンに膨らんだ風船が、さらに膨らもうとしている状態」です。この圧力が周囲の神経を刺激するため、拍動に合わせて「ズキズキ」と波打つような激痛、いわゆる急性根尖性歯周炎の状態になります。
③ 仮蓋(かりぶた)の高さによる咬合性外傷
治療期間中、歯には仮の蓋がされます。この仮蓋が、ごくわずか(ミクロン単位)でも周囲の歯より高いと、上下の歯を合わせた時にその歯にだけ過剰な力が集中します。
炎症を起こして敏感になっている根の先に、噛むたびに強い衝撃が加わるため、痛みが増幅されます。「噛むと激痛が走る」という場合は、このケースが疑われます。
④ 歯根破折(しこんはせつ)
これは最も避けたいケースですが、もともと歯に亀裂が入っていたり、治療中の負荷によって根が割れてしまったりすることがあります。割れた隙間に細菌が入り込むと、どれだけ根の中を掃除しても炎症が収まらず、激痛が続きます。

この痛みはいつまで続く?「痛みのピーク」と受診の目安
痛みを感じている間は、1分1秒が長く感じられるものです。「いつになればこの苦しみから解放されるのか」という見通しが立つだけでも、精神的な負担は軽減されます。
痛みのタイムライン
当日〜翌日: 治療直後の麻酔が切れた後から、最も痛みが強く出やすい時期です。体内の免疫反応が活発になり、炎症がピークを迎えます。
2日〜3日後: 通常、炎症の山を超え、少しずつ痛みが和らぎ始めます。
1週間後: 激しい痛みは消失し、「噛むと少し違和感がある」「触ると少し響く」程度の落ち着いた状態になるのが一般的です。

「すぐに歯科医院へ戻るべき」危険なサイン
以下の症状がある場合は、次回の予約を待たずに連絡してください。
・痛み止めが1〜2時間しか効かない、あるいは全く効かない。
・頬や歯茎がパンパンに腫れ、顔の輪郭が変わっている。
・高熱が出たり、リンパ節が腫れて痛みを感じたりする。
・数日経過しても痛みが弱まるどころか、むしろ強くなっている。
これらは、炎症が歯の周囲にまで波及し、蜂窩織炎(ほうかしきえん)などの重篤な感染症に移行している可能性があるため、専門的な処置(再清掃や切開、抗生物質の処方)が必要です。

自宅でできる!痛みを和らげる応急処置と「絶対にやってはいけないこと」
夜間や休日など、どうしてもすぐに受診できない場合のセルフケアについて解説します。
推奨される応急処置
鎮痛剤の適切な服用:
「ロキソニンS」や「イブクイック」「タイレノール」などの市販薬は有効です。ただし、痛みが出る前に飲む方が効果的と言われています。また、空腹時を避けて服用し、胃への負担にも配慮してください。

外部からの冷却:
頬の外側から、冷やしたタオルや冷却シートを当ててください。血管を収縮させることで炎症の広がりを抑え、痛みの伝達を鈍らせます。
高さを避ける:
もし仮蓋が高いと感じるなら、その側で噛まないように意識してください。
【要注意】絶対に避けるべきNG行動
飲酒: アルコールは血行を著しく促進し、痛みを劇的に悪化させます。「お酒で麻痺させる」というのは大きな間違いです。
激しい運動・長風呂: 同様に血流を良くするため、ズキズキとした拍動性の痛みを強めます。シャワー程度に留めましょう。
患部を指や舌で触る: 気になるのは分かりますが、刺激を与えるほど炎症は長引きます。
タバコ: ニコチンは血管を収縮させ、傷口の治癒を遅らせます。

再治療や抜歯を避けるために。治療を中断するリスクと未来への影響
激痛を経験すると、「歯医者に行くのが怖い」「あんなに痛い思いをするならもう行きたくない」と、治療を途中でやめてしまう方がいらっしゃいます。しかし、「治療中断は、その歯の死刑宣告に等しい」のです。
中断が招く悲劇
現在、歯の中は「仮蓋」という簡易的な処置で守られています。これは数週間程度しか持たない素材であり、放置すれば隙間から細菌が入り込みます。
神経を抜いた後の歯は、栄養が届かない「枯れ木」のような状態です。細菌感染が再発すると、今度は歯を支える骨が溶け始め、最終的には激痛と共に歯がグラグラになり、抜歯せざるを得なくなります。

最終的な「被せ物」までの重要性
根管治療は、土台を作り、しっかりとした被せ物(クラウン)を装着して初めて完了します。密閉性の高い被せ物をすることで、再感染を防ぎ、折れやすい歯を保護することができます。

今の痛みは、歯を守るための「試練」の一段階に過ぎません。ここを乗り越えれば、再び自分の歯で美味しく食事ができる日々が待っています。
まとめ
根管治療後の激痛は、決してあなたの不運や治療の失敗だけが原因ではなく、身体が治ろうとするための生体反応(炎症)であるケースがほとんどです。
【今回の重要ポイント】
・「神経がない=痛みゼロ」ではない。 周囲の組織が炎症を起こせば激痛は出る。
・痛みのピークは2〜3日。 鎮痛剤を併用しながら、まずはこの期間を安静に過ごす。
・「腫れ」や「不眠」を伴う激痛は、迷わず歯科医院へ相談する。
・自己判断での放置や中断は厳禁。 抜歯のリスクを避けるためにも、最後まで通い切ることが大切。
痛みで辛い時は、我慢しすぎず、主治医に「痛みが強くて不安です」と正直に伝えてください。歯科医院では、噛み合わせの調整や、より強力な消炎鎮痛剤の処方、根の中の再洗浄など、痛みを緩和するための手段をいくつも用意しています。
あなたの歯を一本でも多く残すために、二人三脚でこの痛みを乗り越えていきましょう。
根管治療後痛みが消えないという方は一度当院へご相談ください。

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医師紹介

理事長 渡辺 泰平(歯学博士)
資格
PERF-JAPAN講師(根管治療)
PERF-JAPAN認定専門医
MicroPex Hygienic Laboratory講師(歯周病治療)
Karl Kaps Germany 認定講師(マイクロスコープ)
日本・アジア口腔保健支援機構 第二種感染管理者検定講師
日本顎咬合学会 認定医
認定医日本健康医療学会 認定医
日本・アジア口腔保健支援機構 第一種感染管理者
健康医療コーディネーター